五分のため
とりあえず1メートル程に切り分けていく、とりあえず二本分も有れば余裕で編み込めるだろうが暇潰しに魚籠も作りたいし余分に持ってきたが、それ以前に疲労が体を蝕んでいる、残念ながらしばし休んでからとなりそうだな、少なくとも午後にはって感じでもない。
お昼まではやや早いが竹を炙る為に火を起こしてしまっているし、調理といこうか、魚を焼いては干しを繰り返し、焼き干しを炙っていく、これで酒でもあるなら軽く一献傾けてそのまま疲労に体を委ねるのだがな、一応料理酒はあるから味はともかくとして酔えなくはないだろうが少々どころではなく余りにも余りにもな行動だな。
昼行灯の太平楽でももう少ししっかりしていそうだし、残念ながら昼行灯を決め込むには目先の問題は多すぎる、昼間から酒を傾けてとなると些事を含めて全てとは言わないが大きな問題を片付けてからだな、例え疲労で動けないにしても頭脳労働なら可能だし、これからやる大仕事に関して思考を巡らせるのが得策だ。
食事を終えたところで、テントの中で寝転がりつつ思考を巡らせる、墨巣さんが水浴び中だから動けないというのもあるが、それ以上に疲労で動けそうにない、それでもしばらく休めば回復するって感じだが明日に備える意味でも休んでいよう。
さて、とりあえず目先の作業は石運びと魚籠作りに蒸籠作りに橋建造か、蒸籠と魚籠は合間合間の休息中にでも進めるとして、先んじて石運びだがこれに関しては何かしらの問題は起こらない、ただ運んで所定の位置に設置するだけだしせいぜいが腰を痛めるとかその程度だ。
となると橋だが、とりあえず竹でイカダを作ってそのまま渡して固定ってのがベターだよな、強度を持たせるために縦と横で作って重ねてで十分だろう、後は固定方法だが予定地の辺りは岩盤だしな。
土もあるが見た感じだと柱を支える程深くは掘れないだろう。
となると方法としては森の木々にロープで固定、あるいは岩にでも固定だがそれだけだと流されはしなくとも不安は残るな、となるとまた石と砂利を運んでそれらで柱を支えるってのが一番安心かね。
もしくはかなり大変になるが川のギリギリからではなく森の辺りから橋を伸ばしていって川の中にも柱を建てて、流石に無理か、大人しく石運びの方がまだ楽そうだ。
まぁ正確に言うなら柱と言うより左右から橋を固めて動かなくする枷に近いが、とりあえず柱と木々に結びつければ多少は頑丈になるだろうし、大雨で増水しても簡単には流されないだろう、まぁ何時かは壊れるだろうが作ってその日にってのは無くなる筈だ。
とは言え面倒なのは確かだしまた石を運ぶと思うと気概も削がれてしまう、それでも頑張るしかない、なんと言うかたった5分を縮める為に数日掛けるとかバカらしいが必要ではあるし作ってしまえばかなり有益なんだよな。




