杞憂に終わる
重苦しい体を起こして、疲労を抱えてテントから這い出る、これは中々にキテるな。
とりあえず漁を済ませてしまうとして午前中を作業に午後を休息にするとしようか、とりあえず何時ものように磯に向かい何時ものように漁を行う。
今日はゴンスイとウニか、竹筒の方は空だがこんな日もあるだろうし予想の範囲内だな、ただ実験としては既に成功と言って良いな、これだけの成果が有るなら暫くは続けるとしようか、何時かはまた肥やしになるだろうし今の間に楽をしてしまおう。
さてとりあえず作業として可能な範囲もあるし墨巣さんには混合物用に粘土集め、俺は余暇潰し用の竹運びと、石運びだな。
一度拠点に戻る必要もないため墨巣さんに漁果を預けて竹林に向かう、とりあえずとして蒸籠作りとなると細めの竹を数本で良いだろう、後は木材も欲しいが流石に板状に加工するのは無理だしざるっぽい物にするのがベターだな、どちらにしても今日1日では不可能だが。
とりあえず大小四本程担いで拠点に戻り、また坂を下って石を抱えて拠点に戻る、中々に辛いが墨巣さんが混合物を練り終わるまでだ、終わりが見えていればそこそこ頑張れる。
運べたのはたったの三つ、柱の下に鎮座されているがこれでどれだけ強固になったのか不明だな。
まぁ全ての柱を固定できれば何もしないよりは頑丈になるだろう、僅かな差だろうが馬鹿にできない差となるかもしれないならやっておいて損はない、少なくとも朝起きたら屋根が柱と一緒に吹き飛んでいたとか、それによって竈が壊れていたとか、そんな可能性をコンマ数パーセントでも減らせるなら十分だ。
さて、疲労もピークを迎えつつあるがもう一踏ん張りといこうか。
墨巣さんが用意してくれた混合物を煙突に塗り込んで更なる厚みを持たせてヒビを埋めていく、とりあえずこの間の使用の時に問題が有った部分を重点的に塗りかためていく。
乾燥待ちとはなってしまうが、とりあえずこれで大丈夫だろう、仮にまた煙が漏れ出たとしても塗りかためて塞ぐくらいには材料が揃っている。
まぁ漏れ出るとしても少量だろうし別に構わないと言えば構わないのだろうが、しっかり固めないと後々何かしらの問題が出てくるかもしれない、その時に対応してしまえば済む話では有るが先んじて手を打てば気にする必要もなくなる、仮に問題が無かったとして杞憂に終わるとしてもほんの僅かに無駄に時間と体力を使ったで済む、そしてそれが解るとしたら人ならぬ何者かだな。
さて、残った時間は竹の加工の準備と行こうかね、ただ残った体力と疲労から考えるに粗加工すら厳しいのだが。
とりあえず竹を炙って油抜きを済ませていく、後は切り分けて割って編んでだけなんだが、切り分けるまではなんとかなるだろうが割れるかね、そこそこ腕にダメージが蓄積してきているのだが。




