謎は謎のまま
さて、午後からも石運びだな、まだ体は動くし必要量をとりあえず下に集めて、それが済んだら砂利の流し込みといこうか。
磯を越えて砂浜を越えて岩場に到着する、流石にあれだけの数を運ぶと近場に手頃なサイズの石が無くなってしまっているがそれでもほんの少し足を伸ばせばゴロゴロと出てくる。
適当な物を抱えて磯まで戻り、ようやく必要量を集める事ができた、とは言えまだ先は長い、なんと言うかゴールテープが逃げていっているようで良い気はしないがそれでも距離は詰めているって感じだな。
運んだ石を積み上げて拠点に戻る、残りの体力的に穴を掘って砂利を流し込んでとなると墨巣さんと手分けをしてもギリギリなんとかって感じだろうな、どちらにしても明日は動けないとまではいかないだろうがそこそこのダメージで半休息になるだろう。
柱の下を20cmほど掘り返してそこに掘り返した土と砂利を混ぜ合わせた物を流し込む、後は何度も踏み締めて固さを持たせていく、とりあえずこれで土よりは頑丈と信じたいな。
俺が穴を掘り返して墨巣さんが砂利と土を混ぜ合わせ、二人で流し込んで踏み固める、一本一本丁寧に作業を進めて夕方には全ての作業を終える、代わりにかなりの疲労が体を蝕んでいるが。
疲れた体を鼓舞しつつ磯に向かい漁を開始する、とりあえずはホース水抜き漁、続いて竹筒漁だ。
サザエとウニにタコと魚、なんと言うか寿司屋に並んでいそうな面々が捕れたな、特に竹筒で捕れたタコと潮溜まりにいた小アジがそれを加速させている。
墨巣さんはと言うと当たり前のようにオコゼを突いていた、俺の記憶が確かなら岩の隙間とかにいる魚で海面を泳ぐような奴じゃなかったと思うのだが彼女なら不思議に思わないという辺りかなり毒された感じがしてしまう。
テキパキと魚を捌いてオコゼは唐揚げに、アジは塩焼きタコは炒めてサザエは壷焼、ウニはそのまま割ってと調理を進めていく。
しかしウニは数ヵ月ぶりとなるが中々に大きな身で美味しそうだな、どうやら時期に入ったらしいが残念ながらこちらでは居ないんだよな。
かと言ってシェルターに移動してまでというのは大変すぎる、しかし不思議なのは貝が居ないんだよな、正確に言うとフジツボとか牡蠣とか岩場ならそこら中に張り付いているだろう貝がこちらの磯には殆どいない、天敵となる生物でも居るのかね? と言うか牡蠣とかフジツボとかを主食にする生物って居るのか? 或いは他に理由があるかだが知識もないからただ不明としか言いようがない。
さてとりあえず今日はもうゆっくり休むとして明日は石運びか、体力的に半分も運べれば御の字って感じだが休息中の作業って何か有ったかな? そう言えば竈の補修がまだだったがそれにするか。




