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不親切なシステム

 一度拠点に戻り食料をいつものようにテントの一角に置き、そのまま漂着物探しに向かう、体力の消耗はするが有益な何かが新たに流れ着いているかもしれないし流されるかもしれない、ボールペン一本消しゴム一つ、そんなありふれた物でも宝に化ける。次に流れ着くのが何時かは誰も知らず、今そこに有るかも解らない、何処に置かれているかも解らない、そんなコンビニとかなら不親切極まって3日も持たずに廃業するような有り様だが、外部の物を手に入れる手段はこれ以外に無いのだ。

 さて漂着物が流れ着くエリアに着けば、いつもと同じくごちゃごちゃとしたゴミの山にしか見えない物が鎮座している。

これでも雨の日の翌日に比べればマシだし、風が強い日の翌日なんかはかなりの量が流れ着いて目を逸らしたくなるくらいになる。


 ロープを最優先で拾い、軽く引っ張ってみたりして強度を確認しつつ使えそうな物だけを籠代わりのプラスチックの元は箱か何かだったであろう破片に入れていく、もっとマシな籠代わりも欲しいのだが中々コレという逸品には巡りあっていない。

 海や川で使う、もしくは捨てられそうな籠代わりで、漂流に耐えられる頑丈な物となれば限られる、例えばボートやカヌー、ソリやクーラーボックス辺りが狙い目だろう、流石にボートとカヌーは大きすぎて籠代わりにはならないし流れ着いたら着いたでトラブルに巻き込まれそうだが。


 ロープが数本、釣り糸に壊れたルアー、柄の折れて錆びた金槌、今日は大量だな、これで大漁なら言うこと無しだったのに。


 拠点に戻り、拾った物を下ろして火を起こし昼飯の準備に入る、乾燥中の木の枝や割られた薪を適量ピックアップし、剥がして干されて乾燥した木の皮や拾い集めたボロギレを干した物を用意し、適当に組み上げて焚き火の用意は終わる。

 ファイヤスターターを取り出し、付属のナイフでガリガリ削って粉を焚き付けとなる木の皮とボロ布に掛け、一気に火花を散らして引火させる、後は焚き付けから薪に燃え移れば焚き火はちょっとやそっとじゃ消えない、本当ならちゃんとした竈のような物を作りたいのだが材料がない、骨材となる竹や木、基礎となる石なら幾らでもあるが粘土が無いんじゃ話にならない、土でもできなくはないが強度に不安は残るし、どちらにしても雨には弱いが風を心配しなくて良いだけマシだ。


 さて火か燃え盛っているのを確認してゴンスイを捌く、頭を切り落とし慎重に棘を確認して切り落としすぐさま燃え盛る炎に入れて処理する、刺されたらかなり痛むらしいし安全のためだな。

 後は焚き火が燃え尽きる前に火を別の薪に移してから、燃えかすを掃除して石の上に食材を並べ立ておく、その間に灰やらを近くに掘った穴に入れて水を掛け埋めておけば焚き火の処理は終わりだ、これで万が一の燃え残りも消火できる、多少の熱は周囲に伝わるだろうが燃え移るような物もキャンプ設営時に掃除してすでにない、こんなところで火事にでもなればサバイバルも人生も終わりだ。

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