淡々
夕方の漁に合わせて休憩を取ったりしつつ四往復、これで十分なくらいに揃っただろう、流石に足りないなんて事は無いだろうしむしろ余るくらいかもしれないな。
ただ残念ながらそれらを拠点に持ち上げる必要があるからまだ終わりとは言えないのだが、それでも一段落ではある。
遅々としてではあるが前には進めているらしくこの1ヵ月の停滞を考えると大幅に前進した物だしここから加速する予定でもある、問題の累積によっての停滞も単純化と言うか一本化でそこそこ打ち破る事ができるらしい。
並行作業の弊害である個々での作業進捗率の悪さを一本化で加速する、全体量としては減るが問題を一度に解決とはいかない、メリットもデメリットもあるが現状だとこれがベストの選択肢と信じたい。
夕食を終えてようやく一息吐けるな、とにかく重いし距離が長い、しかも明日は距離はともかくとして登りだ、それも数十メートルは登る、拠点の位置は滝より高いし滝でさえ12メートルはある大瀑布でそこからさらにとなれば石塔から14メートルは登る、勾配はそれほど無いとはいえキツい仕事だな。
まぁ1日2日でどうにかはなるだろうがそこからさらに砂利もだ、今から億劫になるが嘆いていても始まらないしもう一頑張りでそこさえ越えれば後は一気に進む。組立自体は2日と掛からないし乾燥させて調整して焼き固めるのに4日、付きっきりの作業とはいえそこさえ越えれば後は何度となく作った屋根でしかも短縮版だ1日2日で終わる。
それでも休息日込みで一月近く、なんていうのは昨日の夜に決めた予定だが、やはりどうしたって時間が必要になるらしい、墨巣さんが居るからまだマシだが俺一人ならもう一月は必要だし温泉もとなれば年内を掛けても終わらない可能性もあるな。
いやギリギリなんとかなるか? まぁ必要のない想定だし流すとして、とにかく直近の問題を片付けていくしかないし、しかも加速しているとはいえ一歩ずつしか進まない、気持ちが尽きるか心が折れれば終わるなこれは。
ただ幸いにしてキツい作業には慣れているしひたすら心を無にして作業を続けるコツは既に身に染み付いている、チマチマした作業だろうと問題なくこなせるから心が折れる事もないし気持ちが尽きる事もない、なにせ元から気概も何も棄てて無の状態にするんだ折れる物が無いのに何が折れると言うのか、元から尽きているんだタンクに穴が空こうと構いやしない。
ただ墨巣さんが心配ではある、ほんの僅かにでも無為に感じでもしたら最後、綻びから一気に崩れるからな、経験者としてフォローしたいが俺の手法は間違ってはいないが誉められた手法でもないしな、痛し痒しだ。




