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 かつて使った森のルートを利用して急ぎ足で竹林に向かう、僅だが時間短縮に繋がる筈だ、海側からじゃないと竹を運べないが、行きなら問題無い。

 森を抜け、セーブポイントでもある俺命名で『痕跡の木』を抜け、竹林に到着する、コンパス片手に位置を確認していくがやはり迷う、この間切り倒して転がした竹をようやく見付け、適当な竹を斬り倒しながら枝葉を落とし引き摺って積み上げる。

 狙いは太い物が数本と細い物を大量に、よくよく考えればただ竹を並べただけでは凸凹の床となり寝にくい筈で、細い竹なら差も少なくて済む筈だ。


 とにかく数を稼ぐ、明日はこの竹を一部だけでも運び出して床梁を作り、屋根の穴塞ぎまでいきたいが狩りの時間を取りたいし明後日までは掛かるだろう。

 時間を短縮するのにも限界はあるし、狩りの時間が決まっている以上、自由に動ける時間にも限りがある。


 とは言え、シェルターを作っておけば後々の探索が楽になるだろうし、引越しのための荷物運びには2日は掛かる筈で、移動や食料確保の面から必ずしも今の拠点で、新しい拠点で眠る訳ではないし、そもそも本拠地の場所すら決まっていないのだ、野宿するためにテントを動かすにしつも担いで歩くのは最小限にしたい。


 そこそこの数を斬り倒しつつ次は迷子にならないように竹に傷を着けて森との境目までの目印を作っておく、これで明日はよりスマートに素早く作業に移れる。

 帰りは狩りのために海側を行き、牡蠣やハゼと何故か潮溜まりに横たわって耐えていたクロダイをゲットした、珍しい大物で久々の満腹を確信した。


 ハゼは串刺しにして焼けるがクロダイと牡蠣はそうはいかない、かと言って鉄板は既に屋根として使ってしまっている、なのでサバイバルの本に乗っていた調理法を試してみる事を決める。

手順は簡単で大きくて丸い石を集め、その上で焚き火をし燃えさしを取り除いて熱せられた石の上に食材を乗せるだけという単純な物だ。


 それでもなんとかなるもので、食べられるだけの体裁というか火を通す事に成功し、美味しい夕食とする。

 石焼きっていうと芋のイメージが強いが魚でもなんとかなるらしい、手間は掛かるし灯りの確保のために焚き火を移す必要があるが中々に使える。


 暗い中、テントに引っ込んで明日に備えて寝袋に入り込む、ダルさは有るが久々の満腹で嫌な倦怠感ではなく、むしろスムーズに眠りに落ちそうな、そんな弛緩した体と気持ちで意識を暗闇に放棄した。

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