うず高く大量に
十分な量の魚を手に拠点に戻り、すぐさま焼いて干していく、今日はとりあえず近い西側の漂着ポイントを目指すとしても作業時間を考えるとお昼ご飯に戻るのは厳しいしお弁当代わりに焼き干しを持ち込むのが妥当だろう。
幾つかの作業を並行しての処理が済んだところで墨巣さんと共に池を迂回して森を抜けて海岸線を突き進む、おおよそ1時間と少しで漂着ポイントに到着するが予想通りと言うか、ゴチャゴチャのゴミが鎮座していた。
「さてここからバケツを探そうか、鉄でもプラでも良いけど有るかな?」
独り言とも墨巣さんと意思の疎通を図っているとも取れるだろうがなんの事はない、単純に気合いを一つ入れて叱咤しているだけだ。
それほどまでに漂着物が大量で既にゲンナリしてしまっている。
ひたすらゴミを仕分けしていくがなかなか目当ての物はないし有っても底が抜けている物だったりする。
墨巣さんも頑張ってゴミと格闘してくれてはいるが成果は上がっていないらしいな。まぁそんなに簡単では無いだろうがひたすら駆逐する勢いで進めていく他はない。
お昼休憩を挟んで作業を再開するが今日一日掛けても全体として四分の一も進まないだろうな、ちょっとどうなんだと思うくらいに木とか糸とか網とかブイとかその他のゴミが山とそこに在る、おそらくちょっとしたゴミ屋敷とかを総ざらいしたくらいはあるんじゃないかな? それこそ全てを運ぶなら2tトラックが二台、いや三台は必要だな。
ひたすら仕分けを続けるがそろそろ時間もないし切り上げよう、とりあえず今日は二人して空振り、明日に希望を残すとして、後は細工が済めば幾つかの問題が片付くんだがさて上手く行くかね。
海岸線を引き返して拠点を経由して磯へと向かう、近いとはいえ流石に距離を感じてしまうな、やはり橋を先に作るべきだったか、しかし実験を含めて2日は欲しいしこのベストタイミングを逃せばあの大量の漂着物を失う事となる。
この期を逃す訳にもいかず残念ながら遠回りだが池を迂回するしかない、こんな事なら先に作っておけば良かったが後悔は先にと言うし仕方がないとしか言えないな。
漁を済ませて拠点に戻り、すぐさま魚の調理を済ませていく、そのついでとして朝の作業の続きを済ませるとしようか。
小さな鍋でお湯を沸かして乾燥した花を投入して煮出していく、鮮やかとは言いがたいが赤色が滲み出てくる、後は朝も浸けて干しておいた布を浸して染色していく。
何度か浸ければ色濃くなるだろうがとりあえず三回くらいを目処に一枚は温泉水に浸けて一枚はそのまま干して色の違いからPHチェックだ、そこまで大幅な変化は出ないだろうがもしも出たならそれだけ触れている証拠の一つにはなる。




