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何度目かの今さら

 夕方の漁を済ませて拠点に戻るがかなり足に疲労が溜まってきているな、この数日腕に足にと忙しいがおかげでかなり進んではいる。

 流石に明日は養生した方が良さそうだが、さて代わりとなる作業もまた搬入作業なんだよな、橋を掛けるための竹、或いは竃のために砂利か、どちらにしても体へのダメージはそこそこキツそうだ。


 夕食としてウツボの蒲焼きに子アジの潮汁という、昼間にウツボに意識を向けたせいか墨巣さんが突いてくれた。

 鶴子が希に釣って持ってきていたが、唐揚げばかり作らされて蒲焼きはほとんどやらなかったが個人的にはこっちの方が好きなんだよな。

炊いておいた米にのせてウツボの蒲焼き丼と子アジのつみれ入り潮汁、場所によっては札が飛ぶ額になるな。まぁ漬け物とか付いてないから丼メニューとしては物足りない物だが、我ながら味は絶品で満足できるものだった。



 目覚めと共に風の音に辟易してしまう、それほど強いわけではないが風切り音はしているし揺れる枝の音もそこそこ大きい。

 これは海も荒れてそうだな、雨は降っていないようだが場合によっては漁をできないぞ。

とりあえず準備を済ませて磯へと向かう、やはり風が強く木々は揺れ、雲も早い、ただでさえ昨日の疲労が残っているのに向かい風がより辛くする。まぁ獣道程度で風の通りはそこまで良くないから海岸線よりはマシなんだろうな。いや自然の防風林に守られている現状で向かい風が辛いって、それだけ風が強いのか? いやいや見た目的にそんな感じはしないから単純に体の疲れによるものなんだろう。


 森を抜けて海岸線に出ればそこそこ強い風と荒れ狂う海という、げんなり風景が広がっている、これは漁は無理だぞ、そこまで風は強くないとはいえ波は高いし危険だ。

 これは流石に無理だな、諦めるとして、さてどうするかね、この風の中で搬入作業は何をするにしても危ないぞ。

いや、森の中なら比較的安全か、となると残る材料は粘土と土か、粘土は新鮮と言えば語弊があるが最後の材料として土を集めるかね。


 しぶしぶ拠点に戻り、そこからさらに森を抜けて土の多い地点を目指す、とは言え基本的に腐葉土ばかりで赤土にしろ黒土にしろ少ないんだよな、あるにはあるが少ないし場所も限られる、足りるかどうかは不明だが僅かでも粘土の嵩を増す事はできる、無いよりはマシという意味で必要ではある。

 フライパンスコップで土を掘り返して鍋に容れていく、これ先にバケツとか拾いに行った方が良いのかね? 今まで流れ着いてはいるが穴が空いたものが大半だから期待薄だがさてどうするかね。

墨巣さんと手分けをしつつ土を拠点に運び込むが遅々として進まない、流石に雪平鍋では一度に運べる量に限界が有りすぎて物凄く疲れてしまう、バケツとなると重さも有るだろうが間違いなく今より楽だろうな。

 とりあえず午後にでも拾いに行くとして東西の海岸線を思い返す、距離と位置的にどちらも今日の荒れ模様だと危ない地点が幾つかあるな、こちらも無理か、となるともう今日1日休んだ方が建設的だな。

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