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黄昏時

 少しずつ切り削り、数時間掛けて煙突用の穴が空く、流石に腕に疲れが残るが釘を使っていたならもっと疲れは酷いし今日で終わるなんて事は不可能だっただろう。

 それを考えれば多少の疲れくらいへっちゃらだ、何より時間的に相当の短縮で仮に明日1日休んでも問題ないくらいには早く終わったな。

さて、微妙に時間も余ったし竹の伐採といこうかね、竈の屋根や煙突の補強用に必要になるんだ、補充しておきたい。


 すぐさま次の作業に移る事ができるようにいろいろと準備をして竹林に向かう、既にけっこうな量の竹が積まれているが太い細い関係なく揃っている。

 これ別に補充しなくて良いな、これなら竃を焼き固めるために薪の補充をしておいた方が有意義だ。

鳴子を大量に作ったからイメージ先行で減った感じがしていたが記憶を辿れば確かにそこそこに揃っていたし積まれていた、俺も俺で少々と言わずにパニクっているらしい。


 さて、予想外に時間が余ったし、海岸線でも見つめて黄昏るくらいしかやる事がないな。

 なんというか虚しい、もしくは情けない気分で水平線の彼方を見続け、カモメも船も鮫やイルカの背びれすら見当たらない世界をただ眺めている。

もう夕方だし若干以上に太陽も眩しいがサングラスとかないしな、流れ着いた事はあるが片側のレンズがないとか両側ともないとか、そもそもツルの部分すらないとか原型留めていない物が大半で、無事なものを見付けても拾う気にもならない。と言うか流れ着いた物の中で何十分かに一の割合で無事だとしても趣味が合わないし、そもそも開発の役に立ちそうにないからスルーしてるんだが。


 1時間程その場で座りこみ、意図せずに休息をとった形となるが然ほど回復した気にはなれないな、墨巣さんの方はどうか不明だが、とりあえず糾弾とかせずに共に黄昏てくれていたのが申し訳ない限りだ。

 それこそ1時間もあったなら砂利を集めるとか石を運ぶとかできたんだが、どうにもやる気を削がれてしまい、ようやく気持ちを入れ換えた頃には中途半端な時間とあまりにもお粗末な経過と結果としか言えず、さらに落ち込むという負のスパイラル突入である。


 あまり良い流れではないからか予想も外れて魚もそれほど捕れずに二段目に突入する、こういう時にやはり俺の幸運もそれほどの物ではなく大した事はないと痛感してしまう、流れを一気に変えて良い方向に持ち込める程の幸運は持たず、せいぜいが日々を良くする程度。

 それでも他人に比べれば恵まれているが羨まれる程に凄くはない、確かに食うには困らないだろうしその他についても多少の金銭でどうにかなる事柄ならなんとかできるがそれだって絶対ではないし期日を区切ってとなると短期間ならかなり厳しい。

俺の幸運もその程度でしかなく、ギャンブルとほんの僅かにそれ以外に通用するくらいの、言ってしまえば便利グッズみたいな物でしかない。それも効果が曖昧な物で信用するには少々と言わずに不安が残る、そこが幸運男と呼ばれた事もある俺の限界だ。

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