サクサク進む
昼食を挟んでとりあえず作業の分担だよな、流石にあの磯まで一人で石を集めに行くのは危険だし材料に砂利を集めてもらおうか。
「とりあえず石は今度俺と集めに行くとして、砂利をお願いしたい」
「砂利ってどのくらい集めるのよ、それにサイズは?」
「どのくらいと言われればかなりだなたぶん一山くらいは必要になるとは思う、サイズはそうだな、パチンコ玉を最少として赤ん坊の拳よりは小さい物だな、ただ選別の必要はないしある程度の誤差は構わない、鍋か何かで集めてになると思うからかなり大変だけど遅くても明日には俺も手が空くから二人でするならそれまで待ってもらうしかない」
「そう、流石に昨日の今日じゃないにしても熊が近くにいる以上は単独行動は控えたいし、休ませてもらうわ」
まぁ別に構わないか、俺も俺で墨巣さんが動く間に休んだ事もあるし、そもそも初めから打つ手を間違えなければこんなロスは無かったんだ、ある意味自業自得で僅かな停滞は受け入れよう。
一斗缶を取り出してワイヤーソーで少しずつ切り進めていく、しかしこれだと本当に早いな、穴を開けるより楽だし歪まないしワイヤーを通す穴を開ける必要はあるが一度で済むから時間も二日と少しで大穴を開けることができただろう。
あれだけの労力がほとんど無駄な努力とは泣けてくるが、まぁ予行演習と思い込もう、或いは腕の鍛練だな。
お昼までかなりの時間を残して火口が完成する、このまま煙突用の穴も作るとしようか、時間的にワイヤーソーを通すための穴を穿つのが限界だろうが。
釘と金槌で一斗缶の上部をガンガンぶっ叩いて穴を空けて少しだけ広げてワイヤーソーを通せるくらいにしておく。
流石にここから作業となるとタイミングを逃すしやや早いが先に昼食を済ませるとしようか、どうせ午後には加工も終わるし。
昼食を済ませたところで作業を再開する、普段なら少し胃を落ち着かせるために食休みとかするんだが、座って腕動かすだけだしな。
ワイヤーソーを通して持ち手と繋げる、しかしワイヤーソーとは名ばかりで見た目は細い鎖なんだよな、かと言ってチェーンソーだとスプラッターの香りが漂うか、単純に糸鋸辺りが妥当なのかね。
キーホルダーよろしく持ち手との分解も組み立ても簡単で、一斗缶程度の薄さで有れば使い潰すつもりでいけば切り落とせてしまう、墨巣さんのサバイバルキットに入っている分もあるし既にかなりヘタってきてしまったがまだなんとかなるだろう。それでも穴が空けばゴミになるだろうな、流石にその辺りに棄てる訳には行かないからリュックの肥やしになるのかね。




