普遍的
とりあえず残るは南西から南にまでの僅かな範囲だな、微妙に旧拠点に被るからやや歪になるが仕方がないだろう。
とりあえず明日の朝には終わって元の作業に戻れそうだな、幸いにして鳴子は足りそうだしロープの類いも在庫はまだまだある、後は本当に天候次第だがこれに関しては警戒網とか関係なく常にだしな。
さて漁の時間だ、今の状態でどのくらい捕れるかね。
ホースをセットしての水抜きを済まし残っているアジを捕っていく、しかし数としては足りないな、もう一段行っておこうか。
ホースをセットして水を抜いていく、墨巣さんの方はイシダイか、なかなかに大きめだな、特徴的な縞が薄れるサイズとなると最大サイズまでもう数歩ってところかね。
最大サイズは確かクチグロ、いやクチシロだったか? 鶴子から呼び名を聞いた覚えは有るが種類も多いし地域差とか含めてだから今一自信がない。覚える気がなかったというのも強いんだろうがな。
テキパキとご飯を炊いてタイミングを見計らい魚を捌いて刺身やらつみれ汁やらを作り盛り付けてしまう。
いただきますを唱和して腹を満たしごちそうさまを唱和して片付けを済ませる、今日も腹八分目くらいは余裕の食卓に誰とも知れぬ海の神に感謝しておくかね、祈りの方法も所作も知らないんだが。神社と同じで二礼二拍一礼で良いのかね? 社とかないけど。
とりあえず海に向かってやってみるがお供え物とかないし、なんだろうか、物凄く馬鹿な事をやっている気がするが気の持ちようとも言うしな。まぁ感謝は伝わっただろう、居るとは思えないし信じてもいないがこういうのは気持ちの問題だ、でなければクリスマスパーティーで騒いだ若者が1週間と経たずに神社に詣でる意味が解らなくなってしまう、俺に限らず無神論者が多いのに変に信心深く、宗教関係なく受け入れるのが日本クオリティーだ、それこそ神なんて全く信じてなんかいない俺の一族でさえ家を建てるなら地鎮祭をするし、盆には坊主を呼びクリスマスには適当に騒ぎ、正月は人が多いから4日くらいに神社に詣でるくらいはする。
さぁ新しい1日の始りだ、残った作業を済ませて早く停滞した作業をなんとかしないとだな。
何時もと変わらず朝の漁を済ませる。今日はゴンスイがそこそこに鰯が捕れたからホクホクだな、量はやや足りないが戻ってきてはいるし午後には大丈夫だろう。
拠点に戻り鳴子を抱えて作業現場に向かう、午後までに済ませて最低限の安全を確保したい。
ひたすらロープを張って鳴子を設置の作業を手分けして続けて数時間、ようやく一周してやや余った鳴子を適当に設置して警戒網が完成する、これで防衛能力は倍とは言わないが1.5倍くらいにはなるんじゃないかな。




