作業日数
さて夕食の狩りと夕食を済まし、水を補充して明日の予定を組む、具体的には竹の切り出しだな、運び出すよりまずは数を集めて乾かして軽くしてしまえば後が楽になる筈だ。
最初は違和感しか無かったが寝袋にももう慣れた、初日は眠りが浅かったし寝起きは悪かったが、今に至ればグッスリ眠りスッキリ起きる、そんな図太さにも似た慣れが体に染み付いている。
スッキリとした目覚めだが腹の方もスッキリとした空っぽだ、この空腹だけは慣れないな。
今日も朝の狩りだ、いつもと同じく魚や蛸と貝、まじでそろそろ野菜が欲しい、野菜を食わなくても死にはしないだろうが気分的に必要な気しかしない、食の多様性と言うか、野菜でしか取れない栄養と言うか、そういうのが欲しい。
ビタミンは薬で補充できるが、やはりちゃんと食べて補給したい、野草の本も買っておくべきだった、もしかしたらキャンプ地に生えた雑草の中に食える物もあるかもしれない、俺の知識は山菜と多少の野草オンリーだ。
それでも把握しているだけマシかもしれない、毒草とか食ったら大変な事にしかならない、稀なケースだが他所から引越してきた御近所さんが搬送されつたりする、ノビルとスイセンをどうやったら間違うのかと思うが、知らない人間からしたら同じに見えるのだろう。
とまれ、今は食える物を食うに尽きる、朝の作業として漂着物拾いを済まし食事を終えて必要となる竹の本数を予測する、床の梁に最低2本、屋根は割った竹を並べるとして15本くらいだろうか、床材も同じとして32本、長い物を半分に切って使うとして16本か、切り出す時間と運ぶ手間を考えれば材料が揃うのに8日くらいだろうか。
時間が無い訳ではないが、早く探索をしたいし、掛ける労力を最小に抑えて損はない、有るものを使うとして使えそうなのは鉄板くらいだろうか、床板にするには薄いが屋根材にはなる筈だ、穴が空いてるから雨は防げないがその部分は竹で塞げば実用には耐える。
食料事情の悪化を覚悟で使うと英断して、とりあえず、鉄板を屋根に乗せてみるが幅が少し足りない、だが眠るだけの範囲が防げれば良い訳だし、寸足らずの屋根でも上等だ、柱や梁と結んで固定すればかなりアレな見た目だが形にはなっている。
これで必要となる竹は10本くらいにまで減った筈だ、それでも運ぶだけで3日は掛かる大仕事だろう。建てる時間を考えればさらに時間は掛かるが大幅な期間短縮だな。
前の工程なら1週間、今ならなんと5日間、ギリギリ定期報告に間に合うかどうかだな、別に間に合わせた所で報酬も何も無いのだが。




