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先輩

 目覚めはあまり良いとは言いがたい、緊張やらで眠りは浅いし、僅かな物音にも反応して熟睡に至れていない、おそらくではあるが1時間毎に目が覚めて、また微睡んでってところだな、それでも肉体的な問題か体感で丑三つ時を越えた頃から記憶が飛んでいるから数時間は眠れたんだろう。

 さて、そろそろ日の出だな、日の出の時間自体は遅くなっていくんだろうが流石に夏が近付く毎にその日射しが強くなり感覚的に早まっている気しかしない。

起床している時間はそこまで変わらない筈なんだが4月にここに来た頃に比べてずいぶんと空が明るい気がする、雲の関係もあるから条件は同じではないんだろうが夏の暑さを予言するみたいで閉口してしまうな。


 嘆いていても仕方がないし、日に日に暑さが増しているのも事実で、どう頑張っても止めるのは不可能だ、お天道様に人間の叡智が勝る事がないんだ、俺が嘆いたところでどうにかなるはずもない。

 いつものようにツラツラとカオスな思考を乗りこなして慎重に磯に向かい、いつものようにホースをセットして水を抜いていく、とりあえず目に見える範囲だとハゼが多めだな。


 拠点に魚を持ち帰ってから墨巣さんを伴って竹林を目指す、とりあえずお昼までに鳴子の製作を済ませてしまいたいな、量としては二人で七本から八本、範囲が広い分、距離も延びるがおそらく足りるだろう。

 「あー、昨日の事なんだが、大いなる誤解を避けるために説明という名の弁解をしたいんだが構わないかな? 一応熊避けにもなるだろうし」

坂道を下りつつそんな風に切り出した。


 「えっと、ソノベさんの事よね? 私としても少し気になるから聞きたいんだけど、なぜだが同時に聞かない方が身のためって本能が叫んでるわ」

 「あー、本能か、残念ながらある意味において正しく、ある意味において間違いだな、聞かないと墨巣さんも危険だから」

あの人の事を知るというのはそれだけで精神的な疲労に苛まれるから間違いではないが知らないと万が一にも出会った時に危険だからな。


 「さて何処から話すかね、とりあえず基本的な情報から行こうか」

 「ソノベリョウ、花園の園に部活の部、凌駕する凌で園部凌、俺と同じ学部の2年先輩で俺が新歓で入部したときの副部長、俺と同じ日に入部した望っていうのと一緒にかなり可愛がってもらって世話になった人で、ソノ先輩とかソノさんとか呼ばれてたな」

「後輩の面倒見が良くて、相談には親身になってくれるしバイトの仲介から勉強の面倒もみてくれる姐御肌って感じの才媛で、俺が知る限り頭の回転の早さにおいて望と一二を争う傑物だよ」

ここまでなら本当にいい人なんだよなあの人。


 「ただ、残念ながら天は二物を与えたがその分を帳消しにするマイナスも彼女に与えたらしくてな、端的に言うと物凄い下ネタ好きでセクハラ魔なんだよ、本人曰く気に入った相手にしかしないし訴えられないギリギリを見極めてるらしい。しかもそのギリギリがまた微妙な線で世話になった身としてはなかなか言い出しにくい線を突いてくるんだこれがまた」

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