休息
本来なら餡かけとしてトロミを付けたかったんがまぁ問題なく旨いな、やはり新鮮さとかもあるんだろう。
ご飯が進む進む、と言っても竹の椀に一杯だけなんだが、カワハギの胆合えも濃厚で素晴らしいの一言だな。
まぁ本当なら付け合わせとしてお浸しとか納豆とかみそ汁とか漬物とかを、とは何度思った事かね。
腹も膨れた事でかなり満たされた感が強い、と言うか満腹で満足だな、ただまぁ腕の感覚はかなり無いんだが。
今回に関しては両腕共にキテるな、キッチリ冷やしたしマッサージもしているが明日には筋肉痛で呻く未来が見えてしまう。
まぁそれでも期間は短縮できる筈なんだ、それこそ前の予定より3日は縮める事も不可能ではない。
やはりと言うか両腕が筋肉痛で動かない。いや動くは動くがかなり辛いな、とりあえず漁まではなんとかするとしてその後に腕を温めても作業は無理そうだ。
残念だが今日は休暇が得策だろう、なんなら墨巣さんも巻き込むかね、彼女も彼女でかなり疲れが溜まっているようにも見えるし、無理はしないだろうが無理にでも休んでもらった方が良さそうでもある。
とりあえず漁を済ませるとしてその後に誘ってみるかね。
今日はハゼが多めか、まぁいい感じだな、ハゼはハゼで美味しいし。
拠点に持ち帰ったところですぐさまお湯を沸かず準備をしつつ墨巣さんに声を掛ける。
「とりあえず俺は今日は休むつもりで見ての通りお湯も沸かしてスッキリもするつもりでな、どうせだから墨巣さんもどうかな? 一つも二つも沸かす分には使う薪はそこまで変わらないから」
まずは軽く誘う、流石に絶対休めと断言するのはまずいだろうし消極的ではあるがきっかけにはなるだろうし自分の状態を理解しているだろうから乗ってきてくれるはずだ。
「そうね、お願いするわ」
フッと笑ってそう言う姿から見るに間違いなく意図を汲んでくれたんだろうな、なんと言うかお互い気を使ったような形になるがまぁまだ少し関係が固いんだろうな。
薪をセットして火を点け鍋でお湯を沸かしていく、沸騰する前に、小さな泡が沸々と出始めて少し湯気が出始めたくらいが丁度良い。
今日はタイミングを逃して少しばかり熱いが冷まして使えば問題ないな、自分の分を確保して火を消してからテントに戻った。
まずは腕を温めるのだがタオルを絞る事すら苦痛だな、それでもなんとか絞ってとりあえず右腕から温めて血行を促進していく。
続いて左腕を温めて、最後に全身を拭ってサッパリだ、水浴びでは取りきれない皮脂なんかが無くなった感じもするな、事実としてタオルもお湯もかなりの汚れを見せているし。




