二歩
漁も食事も済んだところでテントに戻ろうかね、少々と言わずに疲れもあるし少しでも休んでおきたい。
おそらく明日には程度の差は有るだろうが両腕が筋肉痛だろうな、それでも最低限の事はできるだろうが少しでもマシな状態を引き寄せたい。
少しばかりポタポタと水が滴る音がするんだが朝露だと信じたい、幸いにしてやや筋肉痛って感じで動けなくはなさそうなんだがな。
とりあえず外を見てみると霧雨って感じだな、外に出るとジットリジメジメ服が濡れていくだろう雨であまり気分が良いものではない。
とは言え空の方はやや雲に切れ間が多いし1時間かそこらで止みそうだな、まぁ朝の漁には間に合わないだろうが動き回れそうではある。
雨が止むのを待ち続けて約2時間と少し、体感だから実際は1時間とかだろうな、それでも漁には出れそうにないがさて昼御飯までに幾つか小細工をするのが得策かね。
外に出ればそこそこ湿気にまみれていてこのままだと蒸し暑くなりそうな雰囲気がある、風の通り次第では午後からサウナに似た状況になりそうだな。
とりあえず乾いた布で焚き火をする場所の水気を拭いて取り除きお昼には焼き干しを炙れれば幸いだ。
そのまま通路まで進み残った開拓作業を終わらせてしまう、これで建材を運べるし建築スペースも確保できたな。
とりあえずこれで一つ問題がクリアだ、まぁ小さな問題ではあるのだがほんの僅かだが先が拡がった感がある。
さてお次は石運びだが時間的に無理があるか、となると竹の伐採辺りが妥当かね。
竹林へと向かい大量の竹の中から手頃なサイズの物を斬り倒して並べていく、青々とした竹から乾燥が進んで黄色に近い物まで太さも細さも様々な竹が積まれていてコレだけあれば大物を作らないなら充分なくらいだな。
まぁその大物を近日中に作るんだが量としてはそろそろ足りているだろう、運び出したり建築したりは少しばかり先になるがやはり一つ問題がクリアだ。
今日だけで二つもクリアできるとは幸先が良いと言うべきか、或いは些事だからかと切って捨てる判断に迷うな。いや必要な事ではあるから些事とは呼べないか。
それでも準備段階を越えたとしか言えず最終型から見ればようやく足場を組めたって感じだな。
残念ながら平行作業の弊害として遅々としか進まないが、それでも一歩は一歩だ、僅かにでも進めたならそれは喜ぶべきだろう。
さぁ時間も頃合いだしお昼御飯といこうか、午後からなら右腕の感じからして一斗缶との対話も可能性がある、まぁ最終的には石運びだろうが。




