一時休息
とりあえず三往復程してみるが左腕だけだとやはり全くはかどらないな、何よりすでにくたくたって気分になってしまい作業に集中できない。
とは言え時間はまだあるしな、だがこれ以上は明日に支障をきたす、となるともう袋小路で身動き不能か。
何か小物というか、それほど疲れない作業とかなかったかな? 等と思ってしまうがある筈もない、さて今から2時間程をどう過ごすかね。
もはや休む以外の選択肢も消え、悪手の中の悪手を打つしかない、自分の首を絞めると解っていても打つしかない一手だがなにもしないで時間を無駄に過ごすよりはマシだ。
少なくとも本格的に休めるし、動かないなら同じだろうとも思うがやはり何かないかと思考を巡らし、何時でも動けるようにある程度の力を残して無駄に浪費するより脱力していた方が幾分か回復も早まるだろう 。
とは言え手持無沙汰ではあるな、こんなことなら左腕も相応に鍛えていればと思ってしまうが、こんな状況予想する方が難しいというか無理だと思い直す。
ひたすら時間が過ぎ去るのに任せるというのもけっこう辛く、全身の力を抜いて横たわって意識的にボーッとする、仮眠でも取ればとも思うのだが、流石に昼寝はできそうにないしな、何より変に眠って今晩眠れなくなりでもしたら最悪だ。
なんと言うか本当にままならないな、左腕の疲労もピークではないし明日には響かないレベルではあるがこれ以上の無理をしたくない、右腕はほぼ動かせない、これでは本当に何もできないじゃないか、歩く事はできるが歩いたところで体力を無駄に消耗するだけだしな。
それならまだモヤモヤした気持ちを抱えながら大人しくジッとしていた方が得策だ、気分は全く晴れないが得られるものは大きいんだ、そのくらいは飲み込もう。
ほんの2時間休んだだけでもかなり回復するもので少なくとも足のダメージは無視できるレベルに、左腕はやや黄色信号、右腕は赤のままかね。
とりあえず疲れは取れているのが動けはしないという状況に気持ちの折り合いをつける事には納得した、と言うかせざるをえない、文句を言ったところでどうしようもないし諦めるしかない。
さてもう時間も頃合いだし漁に向かうとしようか、食わないと回復しないし動かなくても腹は減るしな。
いつもと同じように水を抜くルーティンだがやはり利き腕じゃないときついな、サイフォン先生はともかくとして鍋での水抜きは辛い物がある。
まぁ辛いというだけでやれなくはないという辺りかなり染まったと言うか慣れ親しんだって感じかね、困った事にそれを自嘲する気分にもなれない辺りが末期だな。




