予想外に
さて、やはり竹を集める必要があるだろうな。
後は橋を掛ける場所だが、これに関しては滝と池の半ば辺りがちょうど良いだろうな、まぁ少しばかり手間は掛かるし時間も掛かるが完成さえしてしまえば向こう岸まで20分は短縮できるし、積み重なれば投資分くらいは回収できるだろう。
仮に温泉が駄目でも漂着物拾いには使うし、どちらにしても必要にはなるから必要経費と呼んでいいのかは別にして必要な作業ではあるだろう、時間は有限だし。
とりあえず腕は冷えたし現場の下見もできた、後は墨巣さんに伝えて状況を精査していくだけだな、少なくともすぐではないが平行作業で進める以上は互いの認識に齟齬が出るのは避けたい。
とりあえず今晩辺りに済ませるとして、少しばかり腕が痛いが漁に向かうとしようか、今日は米を炊くから待ち時間も生まれるしその間にというのがベターだろう。
ゴンスイの大きいのがそこそこか、なかなかに良い成果だな、墨巣さんはまた皮剥か、しかし本当に多いな群生でもしているのかね。
まぁ定住しているにしても気紛れか餌を取るために来ているにしてもありがたい話しだ、向こうからしたらとんでもないんだろうがそこは食うか食われるかの世界って事にしてもらおう。
少なくとも彼らの方がその世界にどっぷりと身を浸けているだろうから文句は出たとしても仕方がないと諦めは付くだろう、まぁ彼らにそこまでの感情が有るのかは不明だが、とりあえず美味しく頂いて糧にはさせてもらうから安心してほしい。
とりあえずご飯を炊きつつ説明だな、どうせ30分は待つ必要もあるし、今から魚の準備をしたところでどうにもならない。
「少しばかり聞いてほしいんだが」
まずはそう断って意識をこちらに向けてもらう。
「あー、非常に言いにくいが一斗缶にかなり苦心していて時間が掛かりそうでな、幾つかの作業を平行させて腕を休めながらになるから予想から外れて時間の短縮にはなりそうにもない」
「その上で、やっている平行作業とその結果、及び予想の報告をしたい」
「とりあえず排水路の補強が完了して実験段階、橋の建築現場と橋の材料が確定したところだ、おそらく明日には実験が終わって建材の一部を搬入だな、一斗缶の方は半分も進んでないが」
とりあえず現状報告からだ、全てを事細かく説明すると時間が足りないしな、彼女が気になる部分を説明していった方が楽だし早い。
「一斗缶にどれくらい掛かりそう? 後橋の材料って?」
「一斗缶だが、正直に言って不明というのが答えだな、右腕の状態と相談しなからになるから、ただまぁそうだな残り六回から八回は作業を必要とする、概ね一月掛からないくらいかな。橋の方は竹を使う、とりあえず板状に纏めてって感じだな」




