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ようやく

 いや、そもそもシルエットが見えないだろうな、一応は冬場も使えるテントで二重構造になっているし、そもそも明かりがないから影が差す筈もないし、万が一いや億が一の確率で差したとしてもあまり興味が湧いてこない。

 こんな生活ではあるが俺の好みは鋼のように揺らぐ事なく、その好みから墨巣さんは外れている、もちろんそれが全てではないが少なくとも今この時点でさえ性的に興奮する事はあり得ないだろう。


 若干以上に枯れてきているのも事実だしな、なんと言うかそんな体力が無い以上に仙人の境地に達している感が強い、或いは禅僧でも良いがどちらにしても殺生も魚だが肉食もしているから外道ではあるだろうが。

 それでも門前の小僧よりは悟りの境地に近いと思ってしまうが、その時点で悟りには至れないな、ただ傲慢なだけだ。

まぁ、それらを度外視するにしても理性でどうにかなるし、そこまで常識を失った訳でもない、まだ人としての矜持は持っているしな、これを伝えたところで安心材料にならないし、むしろ失礼だから言わないが、行動で示して警戒を最低限にまで抑えてもらえれば合格点かね。



 テントで過ごすうちに寝落ちってところか、この時期だと寝袋に入る必要も感じないからテキトウに寝転がって思考を巡らせる間に寝入ってしまう。

 テントに敷いた薄いシートもそれを加速させている、厚さ一センチにも満たないのにクッション性に優れているため砂利の上だろうが砂の上だろうが鉄板の上や岩盤の上でも。そこらで売られている安い布団よりは上の寝心地を約束してくれる、まぁ最低限下草を刈り小枝なんかは取り除いてはいるからそこそこ良い寝心地にはなるが。


 グッスリ眠れたおかげで右腕も動きそうだな、若干の痛みは有るが午後からならなんとかなるだろう、代わりに明日は昨日以上の地獄を見る事にはなるだろうな。

 とりあえず例によっての漁からだな、さて今日は何が取れるか楽しみだ。



 漁を済ませてとりあえず建築現場に向かう、昨日の続きで加工からか、これさえ終わればもうゴールはすぐそこだ、実験が残ってはいるが完成とは呼べる。

 まぁそれも終わってからだ、とりあえず右腕を温存したいし、今日も左手での作業だな、やや時間が掛かってはしまうが必要な無駄ってところかな。

とりあえず少しずつ片付けてしまうとしよう、流石に実験までは無理でも完成までは持っていけるだろうし。


 とりあえず排水路の補強が完了したな、ゴールとなる川の近くにまで延びる竹の水路だ、雨で削れて形が変わるような事はないし、土が流れ込む量も最小に抑えられるだろう。

 これで実験さえ済んで、それが成功を見れば干場は完成だな、足掛け2ヶ月足らずとは言えかなりの大仕事だったと胸を張って言える、惜しむらくはまだまだ問題が累積中って事だな。

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