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風呂代わり

 かなり熱は引いてきているが、代わりに固さが増しているな、手を開くだけでもかなり痛むし油が切れた機械のようにぎこちない。

 とりあえず暖めて血行促進、マッサージとストレッチで緩和ってところか、まぁその前に食料の確保からだが。

軽く腕を揉みつつ磯へと向かう、余りマッサージは良くないんだがな、どうにも筋肉痛が酷い、とりあえずやれるだけの対処療法で明日に響かない程度には抑えたいな。


 何時ものように漁を済まして魚を捕らえていく、今回は鰯と鯖か、青魚パーティーが開催できそうだな。

 とりあえず鰯は煮付、鯖は普通に焼くかな、個人的には味噌煮も良いとは思うんだが味噌はないしな。


 まぁ今日に関しては墨巣さんに処理を一任する事になるな、味付けくらいは可能だが流石に左腕でナイフを持つのは不可能だろう。

 墨巣さんが魚を捌くのを待つ間に煮汁を作る、後はここに軽く湯通しして臭みを抜いた鰯をぶちこむだけだな、本来なら梅とか生姜で済むんだがな、残念ながら一手間でごまかすしかない。

まぁその辺りはむしろ楽しくて良いのだが、こういう細やかな仕事は祖母から叩き込まれているし、それなりに好きな作業でもある。


 食事を終えたところで漁用の鍋でお湯を、正確には少し熱めの風呂くらいの温度まで沸かしていく。

 適当なところで火から下ろしてタオルを浸す。

「何を始めるの?」


 「ん? ああ、腕を暖めようと思ってな、筋肉痛が酷すぎてこのままだと明日に響く」

 疑問に思って当然か、普段は海水汲み出すために使う鍋で湯を沸かし、タオルを浸けるとか異様な光景だし、体を拭くにしても墨巣さんに断って離れてもらうし、行動として奇妙に取られても仕方がない。


 「そう、でもせっかくお湯を沸かしたんだし体を拭きたいんだけど構わないかしら?」

 「全く問題ないよ、なんなら新しくお湯を沸かしても良いし、流石に毎日は無理だが週一くらいなら薪にも余裕があるしな、ただ補充は手伝ってもらう事にはなるけど」

確かに目の前にお湯が有ればそうなるよな、むしろ今まで水浴びで済ませてくれていた事の方が驚きだ。


「流石にそれはもったいないわね、でも月に数回はスッキリしたいし、温泉までの繋ぎに楽しませてもらうわ」

 「とりあえず俺が腕を暖め終わったら鍋ごとテントの前に持っていって中で拭いてくれ、俺もテントの中に引きこもれば明かりがないから大丈夫だろうけどシルエットとかも見えないだろうし」

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