温冷
今日はハゼが大量だな、幸いにして腹は膨れそうだし作業に集中できそうだ。
とりあえず拠点に戻り装備を入れ換えて作業に向かうとしようか、まだ少しと言わずかなり腕が重いな、重いというか固い、手を握ったり開いたりする事すら億劫で僅かでも動かせば痛いし辛い、さてさてこの調子で大丈夫かね。
積まれた竹を加工していく、だが遅々として進まないな、正直に言って半日使っても加工できるかすら不安だな、これじゃあ補強はできそうにないし、午後からの作業にも支障しかない。
と言うかおそらく無理だろう、今日1日を別の作業に使って腕を休める方が得策だな。
上がらない右腕に苦慮しつつ、左腕で遅々としてだが作業を進めていく、普段なら容易い作業なんだがな、流石に左手だと動き辛いし細かい作業ができない。
それでもなんとかはなるもので、歪ではあるが形にはなった。
かなり時間が、それこそ二倍どころではないくらいに掛かってしまってはいるがなんとかなった。後はセットしていくだけだが時間的に食事が先かね。
拠点に戻る前にもう一度腕を冷やしておこうと川に寄って水に腕を入れる、冷やしすぎるのも駄目だが熱を持っている以上は仕方がない、親父によれば筋肉痛は炎症と似たような対処で良いらしい、ただしある程度治れば暖めるのが正しい対処法らしいが。
ただこの生活だとそれも難し・・・・・・くはないのか、冷やしたいなら川にでも飛び込めば良いんだし、暖めたいならお湯でも沸かしてタオルを浸けて絞った物で事足りる、プラスして仮に温泉が入浴できるものなら疲れも取れるだろうし、効能は不明だが血行促進くらいの効果はあるだろうし。
少なくとも風呂と同等程度には疲労回復効果もあるだろう、往復一時間近いから湯冷めは必至だが。
或いは一泊くらいはできるようにシェルターでも・・・・・・いや駄目だな、南の方で暖かいとはいえ冬場に使うにはすきま風や寝ごこちが問題になる、かと言って拠点も移せないし湯冷め覚悟で移動するしかない。
まぁそれも開拓が済んでからになるが、少なくとも今はまだ未来を夢想する段階だ。
少しずつ進めてその未来に近付けたいね、まだ入浴可能かも不明だから狸の皮算用にも程があるが、少なくとも希望を持つくらいは許されるだろう。
拠点に戻ってお昼御飯で空腹を満たす、しかし腕が動かない、大工さんって凄いんだな、こんなの毎日続けてるのか、いやまぁ流石に一斗缶に釘を打ち付ける事はないと思うが、物凄く固い木とかに釘打ち付ける事はあるか。
何かコツとかあるのか、単純に腕力か、そのどちらかが身に付くのが早いか穴が空くのが早いか、さてどちらかね。




