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野性的

 一晩中降り続けた雨も翌朝には晴れ、本日は雲一つ二つ三つ四つ、チラホラあるが快晴だ。

 珍しい事に風も穏やかで、この島に来てから聞き続けてきたザワザワという木の音を聞かない。

 嵐の後の静けさだ、嵐というか大雨だが。


 毎度お馴染みの磯で食料を確保し、漂着物拾いに向かう、今日の予定は竹を斬り倒しておく事。

 後は野草を探したい、流石にそろそろ何かを見付けるはずだ、ノビルとかフキとかヨモギとか、ここまで見ないのも珍しい、基準が裏山なのでソレらのレア度を知らないが、割りと何処にでも生えてたし貴重な植物という訳ではないだろう。


 ごちゃごちゃの漂着物を越え、昼食を胃に納めて荷物を背負って竹林に向かう。2時間程度は歩くし、悪路を考慮して約6キロ程だろうか、流石に歩測能力は持っていない、目測と体感時間のみという大雑把な物だがズレは少ないだろう。

 とは言え拠点を 直近でも4日後、たぶん4月の22日、感覚的には一月くらい過ぎているんだがな、まぁ一回目の報告までには探索できる筈だ。

 流石にポジティブ過ぎるかもしれないが、それが事実であると音で理解する。


 普段ならサラサラとザワザワとした竹のざわめきが聞こえる、後は潮騒とチョロチョロと岩の隙間から流れる水の音。それがここでも聞こえてくる、拠点から遠く離れた場所で始めて聞いた水の流れる音、西方向に少し行けば大小はともかくとして水場に当たる。

予定を切り替えよう、明日にでもチェックして、場合によってはしばらく竹を転がしておけばいい。


 拠点に戻る途中で磯に立ち寄り、魚を数匹確保して拠点に戻る、しかし1週間でかなり認識や感覚が変わった気がする、野性に戻るという程ではないだろうが野性には近付いている。


 『救いや助けがない状況だ、獣になれば生き残れるのなら喜んで獣になろう』どこぞの物語の主人公ならそんなカッコいい事を言えるんだろうが俺には無理だ。

 獣になるにはまだ早い、生き残るための理性と知識と技術は必須事項だろう、本能を飼い慣らし獣を飼い殺し、生き抜くための一歩を確実に、一歩を着実に、何がなんでも生き抜くなんてカッコいい事は言わない、それでも期間終了まで1日でも長く生き抜いてやる。

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