増える
装備を入れ換えて少しばかり体を休める、さてさて明日の天気にもよるができれば完成を見たいな。
やるべき事を片付けたいという以上にもう7月の10日とかだった筈で、気の早い台風ならやって来る頃合いだ、今手を打っておかないと待っているのはジリ貧だ。
とりあえず焼き干しの補充は急務として拠点周りのチェックはこの前の嵐の日に済ませてはいるが念のためもう一度、まだ大丈夫という甘い考えでいられる期間はもはや過ぎ去った、そろそろ緊張感と危機感を持って事を構える時期だ。
とは言えそれをするためにはまだまだ片付けるべき問題が累積している、合間合間を見ての作業として位置付けるしかないのが現状で比較的幸いと呼んで良いのだろうが先んじての問題は概ね片付いていると言っていい、勿論それで安全が担保されて一安心とはいかないが幾分か重要度は下がる。
それで良しとできないのは解っているが、状況判断として若干ながら先伸ばしにできる、できてしまうと言うべきか、その僅かな余裕で累積した問題を一つ片付ける事も可能だ。
ただ困った事に累積した問題自体は増えたことになるため面倒を背負い込んだ結果に変わりはないのだが。
何時ものように磯に向かう、今回は一段目で七割、悪くない結果だな、二段目でプラスアルファ、墨巣さんが突いてくれたクロダイも含めれば満腹になりつつ焼き干しも補充できる、ただし米が入り込む余地は無さそうだが。
いや焼き干しを多めに作るというのも手かね、今のところ二人がそこそこ食べて1日半持つくらいを目処に作ってはいるし、節制すれば3日は持つ、それを節制無しで2日は余裕くらい作れば。
いや、ダメだな、入れ換えを考えるとそこまで量が多くなると面倒だし、夏場が近付く以上焼き干しでさえ数日で危険だ、やはりままならないな、幸運だとか言ってもこの程度でしかないと突き付けられた気分だ。
焼き干しを補充しつつ古いものを炙って夕食に加える、しかしなんとかなるものだな、予想よりは楽に火が着いてくれたおかげでかなり心に余裕が生まれている。
満腹になったところでテントに引きこもる、明日には天気もスッキリしてくれれば良いのだが。
幸いにして目覚めと共に雨音を聞くなんて最悪な目覚めではないが、さて外はどうなっているかな。
雲一つないとは言わないが暗い夜明け前の空は晴れている、とりあえずそろそろ運び終えそうなくらいに減った薪の中から適当な物を選んで横に並べて干していく。
単純に乾燥を待つなら積んでいても良いのだが手早く乾かしたいならやはりこれが一番だ、このまま天気が崩れないならお昼にはそこそこ乾いて実用には耐えるだろう。




