復活
さてハモだ、かなり面倒なんだよなコイツは。
とりあえず小魚の処理を墨巣さんに任せて大物のコイツに集中しよう。
とりあえず三枚に、この辺りは鰻よりは楽ではある、残念ながらと言うべきかありがたい事にと言うべきか、鶴子がウナギを釣ってきた数は片手で事足りる、そのためトライアンドエラーにしても経験値は非常に少ない。
まだまだ修行中だ、別に修行しても今の時点では全く意味がないのが悲しいが。
ナイフだとやや苦心するが、しっかり骨切りをして一口大に切り分ける、後は茹でて梅肉を添えれば完璧だ、ただ残念ながら梅干し無いしな、潮汁とハモの湯引き味噌添え辺りで良いだろう。
まるでミゾレ雪の如く、綿のように花咲くハモの身、今日も美しくなったな、流石にナイフだから不安だったんだが、まぁなんとかはなった。
一部はそのまま味噌と味醂を和えた物を添えて、残りを焼き干しとめんつゆで出汁と風味をプラスした潮汁に浮かべる。
後は三葉でもと思うが残念ながらタンポポもそろそろ危うく彩りも香りも存分に生かし切れないが、それでも今できる十全を尽くした、或いはこれ以上無く最善を尽くした、味の方もそれに見合う物で居てほしい。
まぁ普通に美味しいと言ったところか、食べられないほど不味くはなく、また骨切りが甘いなんて事もないが、物凄く美味しいという事もない、良くも悪くも普通だな。
まぁ不味くないなら良しだろう、少なくとも骨切りはキッチリできてはいる、総合的に見て70点は固い、評価点を加えればギリギリ赤点は免れたとは思うのだがどうだろう。
まぁ赤点って学校とかによって違ったりするらしいから絶対の自信を持てないんだが。夕食を終えて後片付けに歯みがき等を済まして早々にテントに引きこもる、さて、明日はいよいよ側溝堀りが再開だ、可能なら調整までは済ませてしまいたいな。
全快ではないが少なくとも倦怠感は消えたか、仮に側溝堀りが数日続くなら厳しいが、ありがたい事に今日で概ね終わる、調整と竹の埋め込み、排水路の確保作業もあるから差は少ないのだが多少はマシだ。
さぁ、とっとと朝の漁に向かうとしようか。
何時ものように磯に向かい水を抜いていく、空はやや雲が有るが快晴、最近雨が降っていない気がするがさて梅雨明けかね、或いは今年の前線は北上しまくって南には来ていないか、まぁ降らない分には作業が進んで良いと言えるから嬉しくはある。
ただ水不足とか大丈夫だろうな。とりあえず今の水場は地下水っぽいが、地形的に雨水が濾過されてまた地表に顔を覗かせた感じだとは思うのだが、流石に今日降った雨が明日沸き上がるみたいな事はないだろうが数か月先なら? できれば年単位であってほしいな。




