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虚しさ

 虚しい勝利だな、やはり相手がいないとやりがいを感じない、まぁ時間は潰せたから良しとしようか、とりあえず使える事は証明できたし。

 少なくとも暇が出来た時に使えはする、雨の日は無理だから微妙ではあるが。

小さな盤と駒となると流石に1日では無理だ、それこそやる事が無くなって、暇が極まるまでは時間を取れない。


 夜なべでなんとかするような物でもなく、無駄に体力を消費して回復を妨げる愚を演じる必要もない、今は晴れた休日の遊具で十分だろ。

 少なくとも今日は四時間半は過ごせたし、この後の墨巣さんとの対局でさらに30分は潰せてしまう。

まぁ長期戦や短期戦になる可能性もあるので目安では有るが、とりあえずかなり時間を潰せているし、その分だけ回復できた、明日には問題なく動き回れるだろうし、一気に済ませるべき作業を済ませてしまおう。


 おおよそ3時半、漁まで2時間程と言ったところで墨巣さんが戻ってきた、つまり警戒網が完成したという事で拠点が強化され拡げるための準備ができたという事だ。

 とりあえず次の流れとしては拠点を拡げて、そこで出た丸太やらで川に橋を掛ける、続いて石や泥で竈を作り、温泉までのルートを構築しつつ幾つかのテスト、それらの前に建築作業と薪の運び出しか、かなり長期戦になるな。

最低でも2ヶ月から3ヶ月、忙しい夏になりそうで何よりという皮肉しか出ない、まぁその分だけ後が楽になるんだ、一種の貯蓄と思えば悪い気がしない。或いはこれまでがそうであったとも言える、今日この日までにやってきた事は確かに実を結んで、日々の生活が楽になっている。それは間違いない事実だな。


 「じゃあ、報告ついでに一勝負といきましょうか、言っておくけど私は弱いわよ」

うん、そんな自信たっぷりに言えるのが凄いな、なんと言うか明け透けで好感が持てる、ただ恋愛感情を持つには少々と言わずに俺のタイプからは外れているんだが、具体的には装甲が薄すぎる、何処がとは口が裂けても言えないが。

「そうか、言っておくが俺の実力はチェスサークルのほぼ中央、俺を倒してもなんの自慢にもならん」

そう言い切ってやる、意趣返しとしては程度が低いが中々に良い返答だとは思う。


 レディーファーストとして先手を譲る、チェスは比較的先手が優勢と言われている、残念ながらそれを手放しに理解できるような頭を俺は持っていないから賢い誰かが言うならそうなんだろうな、とその程度の認識ではあるが、場数を踏んではいる俺の有利を埋めるファクターとして先手を譲るのは順当だろう、何より紳士的だ。

 若干以上に中二時代の汚染の臭いがするが、そこは仕方がない、チェスを打つ行為事態、なんか格好良いし。

まぁ俺の主観でしかないんだが。

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