物造り
のんびりと朝の空気を吸いながら、のんびりと漁を済ます、この辺りは慣れと惰性で終わらせてしまう、日数感覚が鈍ってきてるとは言え流石に一週間くらいは経ってる筈で、そろそろ新たな技術として馴染んだ頃だろう。
まぁそろそろ味に飽きて来ているのも事実だ、マジでなんとかしないとだな、まぁ味付けは塩か醤油かめんつゆか酒くらいなのだが、味噌は流石に傷むだろうから除外したんだよな、せめて酢とかあれば多少はマシなのだが。
焼き魚と焼きタコを食べ終え、火を維持したまま作業に入る。
竹を半分に割り、節を剥がし、ナイフで適度な幅に裂いていく、数を揃えた所で燃え盛る薪を菜箸と鍋でなんとか運びだし、作り出した加工用の炉というか釜というか、謎の機具にセット、後は竹を炙る。
焦げる物もでるだろうが、そこは切り捨てるとして油抜きと呼ばれる作業を済まし、後は残った物を使って編むだけでいい。
数時間を掛け、数十本を無駄に焦がしつつ、ひたすら編み込みながら筒状に、長さ約50センチ、直径で10センチ程の筒をなんとか作った所で時間切れとなり漁に出る、久々に作ったせいで歪だが形にはなっている、蓋は明日だな。
作りたいのはウナギ筒なので岩がゴロゴロしていてウナギやアナゴ、ウツボなんかが隠れそうな隙間の多い場所を見付けたい、まぁ探すのは明日の朝の漁を終えてからだな、今日はもう漁を終えて食事をしたら休みたい、肩や首が凝り固まっているし、目もショボショボするし指先も幾つかの切り傷が有る。
海水という地獄のような痛みを指先に与えてくれる存在に泣きそうになりつつ、なんとか漁を終える、切り傷に塩はマジヤバイと再確認と共に、しばらくは極力海水に触れないように慎重に慎重を重ねようと決める、そこそこの痛みもあるが衛生面も問題だろうし戻ったら消毒しておこう、確実に痛いだろうけど。
夕食を済まし、明日の準備として水を確保し、邪魔なゴミを一ヵ所に纏めておく、ゴミといっても焦げて強度に不安が残るというだけで束ねれば浮きになるし、組合わせて何かの目印にしたりと用途はかなりある。
細かい予定は明日考えるとして、今日は地味に疲れたし早々に休むとしよう。
久々の曇天に雨が降らない事を祈りつつ、漁を済まして漂着物拾いに動く、海も荒れ模様だし、これは一雨くるかもしれない、できればもう少し待って欲しいのだが、流石に無理な話だろうな。
まぁ雨が降らないと水の確保も難しくなるし、そこは人間ではどうしようもない部分だ、最悪の場合は夕食も罠製作も無く、テントで大人しくしているしかないだろう、物資に余裕があるなら森の探索とかできたのだが、残念ながら食うのに必死で食料備蓄は皆無だ、豊漁なら干し魚とかを作れるのだがな。




