表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
265/1039

三本目

 30分程掛けて岬を登りきり、その頂上からの光景を見渡す。

 後ろは今まで歩いてきた砂浜と砂利の海岸線が膨らんだ弧を描き、遥か向こうに漂着ポイント近くの丘が見えている。

前方はと言うと予想通りというべきか、もう一つ岬が見えるな、ただし遥か向こうの霞む視界の中にだが、あそこまでは軽く十五キロは有るな帰りを考えないなら1日で移動できる距離ではあるのだろうが、流石に無茶が過ぎるな。

そんな事をするくらいなら東側に目を向けた方がまだ建設的だ。


 しかし、見えているのはそれだけではない、ややえぐれた白い砂浜が続き、その先に若干の岩場が見える、何より流れ込む川が見えている、恐らく調査を考えると距離的にあそこが今日の終点になるだろうな。

 「とりあえずあの川を目指すとして、食事にしようか、少し疲れもあるしな」

そう告げてその場に座り込む、かなりキテるなコレは、限界もすぐそこに見えてきている、明日の休暇は確定として今日の成果を良きものとしたい。

昼食と食休みに1時間程使い、多少は回復したところで目的地を目指して歩き出す、さて目新しいものでも有ればいいのだが望み薄ではあるな、みた感じ細い小川だし、遠目でも若干海水が逆流して気水域になっているらしい事が見て取れる。

珍しくもなんともない、ただの小さな川だろう、仮に何かが有るとしても予想の範疇から外れない平凡な物だろうな。


 砂浜を進んで川辺までやって来た、やはり海水が川に侵入して逆流しているな、しかもか細く浅い川だから河口付近だと気水域ではなく、純度100パーセントの海水だろう。

 上流に目を向けるが深い森に続く川はほんの少し先で深く、かつ細くなっているらしく、ようやくと言っていいのか気水域だろうと想像できる。

それでもまだかなり先まではその状態が続くんだろうな、時間帯的に満ち潮を越えた頃だろうから大部分を海水に侵食されているだろうと予想ができる。


 それでも少し登れば水を手にいれる事も可能かね、そろそろ水筒の水も心もとないし予定より早く到着している、少しばかり遡上するのはやぶさかではない。

 「水の補給もしたいし、少し登ろうか」

そう告げて上流に足を向ける、さて一キロも登れば良いとは思うが往復30分強、辛くないと言えば嘘にはなるな。


 浄水器が海水対応なら楽なんだが、アレ高いんだよな、しかも海水を綺麗にするのにかなり時間が掛かりフィルターも数回でダメになる仕様だ、それを考えると今のがベストだったとは思う。

 まぁ今のも今ので定期的にフィルター交換は必要なんだが。

そう言えばそろそろ交換の時期も近いな、連続使用で4ヶ月とかだし、来月の頭には交換しよう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ