再度
そこそこ回復できたとは思うがクールダウンしたおかげで倦怠感は増したな、まぁまだギリギリ無視できるレベルではある、サクサクと漁を済ませてゆっくり休むとしよう。
何時ものように磯での漁を済ませてアジを焼いていく、墨巣さんの方はクロダイが一匹と普通だな、コレを普通と言って良いのかは別としてほぼ毎日魚を突くその腕前には舌を巻くな、少なくとも俺では無理だったし。
テキパキと調理を済ませて、焼き魚と刺身の夕食を食べる、とは言え相変わらず野菜が無いな、でもそろそろ初夏だし野草が出てくるだろう、せめてタンポポの群生地を見つけたいな、後はノビル辺りか。
今日の目覚めはやや体が付いてこない感覚がある、もう少し眠りたい、休みたいという体の悲鳴が聞こえてくるような目覚めだ。
これはあまり良くはないな、と言うよりかなりヤバイしマズイ、明日の完全休暇が確定したな、なんと言うか色々と選択をミスった感じがある、それでも最善手と信じて動くしかないだろう。
磯での漁を済まして昨日と同じく弁当代わりの焼き干しを用意して出発する、今日は昼までに余裕で昨日の漂着ポイントまで到達して、さらに先を目指せるな、その分だけ帰還の事も考えないとだが。
森を抜けて海岸線に出る、わざわざ池を迂回して行かないといけないのは手間だな、適当に丸太橋でも掛けたいが川幅的に厳しいか、水量もそこそこ激しいし無難に迂回路を行くしかないか、即否定というのも悲しいものがあるが残念ながら取れる手は無い、何より現時点で苦労してまでなんとかするだけの旨味が見付かっていない、何か決め手が有るならもう少し考えるんだがな。
それこそ拠点を移そうかな? なんて一瞬考えてるような何かが有るなら最短距離を行くための開拓はいくらでもやろう。
まぁ、それらが有ったとしてもチェックに数日、開拓に一月と利用に掛かる時間は膨大なんだがな、それもその事だけに集中してだ、実際の利用は秋頃になるだろう。
まだ太陽が低い昼前、恐らくは10時半くらいだろうか、昨日より楽に漂着ポイントまで進んだな、さてこのまま海岸線を進んでとりあえずお昼時までは歩くとしよう。
ひたすら進む事1時間、距離にして約三キロ程だろうか、相変わらずの風景は代り映えなく、砂浜と砂利に若干の岩場ばかり、残念ながら拠点から直線で六キロは進んだのに磯が見当たらない、まぁ岩場に牡蠣とかは張り付いていたが距離的に採りに来ようと思える漁場ではないな。
さて、そろそろ昼ご飯時だが、目の前の丘を上ってからにしようか、丘というか岬っぽいんだよな、西端ではないだろうが上陸地点が南西よりでは有ったしそろそろ見えてくる筈だ、恐らくは南西の突端だろうか、この辺りは黒潮がぶつかる地点だろうから素潜りとかしたら豊富な海の幸も夢ではないだろう、流石に潜るわけにはいかないが。




