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パターン

 墨巣さんと合流して拠点に戻る、体中に倦怠感と熱で満たされているな、軽く水浴びしたい気分だ。

 作業内容というより気温が上がっているのが原因だろう、幸いにして直射日光は遮られているし森の中だから涼しいのだがそれでも体感で30℃くらいはあると思う、おそらく日向ならもう5℃くらいはプラスしないとだろう、いわゆる夏日、いや真夏日か、それとも猛暑日かね、気温と購買意欲の関連性で学んだ筈なんだが忘れているな、試験前とかあれだけ猛勉強した筈だというのにやはり一夜漬けだと身に付かないというのは本当らしいな、下手をしたら専門の色覚関係も来年の春には頭の中から抜け落ちているかもな。


 拠点に戻って魚を焼いていく、もはやこれも流作業に近いな、火を点けるとか気負う必要もなく片手間に済ませてしまえるし、捌くのも数が多い分経験値が溜まるのか最低限の動きで内蔵を処理できてしまうし、気付いた時には串刺しの魚が焚き火で焼かれている。

 もはや無意識での作業になっているな、その事が良い悪いは別として味気ない感じがしてしまう、調理が流作業になった所で出来上がりに差は無いのだがなんだかな、モヤモヤした物が心に生まれてしまう。

とは言え意識的にというのもまた違うような気がするし、深く考えない方が良さそうだな、思考の迷宮に囚われて迷子必至だ、それより目の前の問題を片付ける方に手を回したい。


 食事も終えて胃を落ち着かせる時間を使って明日の予定について協議するとしようか。

「明日の事なんだが、幾つか考えられるパターンを洗い出してみたから問題点が無いか聞いて欲しいんだが」

まずはそう前置きをしておく、急にどうこう言っても混乱させるだけだしな、会話にも慣れたし感覚も思い出してきた、気遣いとも呼べない会話の流れの作り方を実行するとしよう。


 「さて、幾つも有って忘れそうだから一気に行くからとりあえず地面にでもメモしてくれ」

「まず考えられる可能性として最も高いのが漂着物の流れ着くポイントだ、これに関しては状況やそこまでの距離にもよるが後日有功利用する方向で動くつもりだ、場合によってはシェルター側を廃棄する事になるな、お次は磯だが、状況次第ではそちらが漁場になる、と言っても規模で今の磯に勝るとは思えないが肥やしになってる罠とか使えるしな、続いては水辺、正確には川とか池とか泉とかだな、本当なら拠点を移すのを考えないとだがここまで整備したからな、引っ越せない」

「もうここは本拠地だ、例え新しい場所がここより素晴らしくても引っ越せない、残念ではあるがな、ここからはトラブルの方だが動物の痕跡、もしくは動物そのものと鉢合わせた場合だが、痕跡の場合調べるだけだ、鉢合わせた場合は絶対に目を合わせるな、そして急に動かない、逃げない、例え目の前にいるのがライオンでもゆっくり後退しながら距離を離すのが鉄則だ、その上で向かってくるようなら大声を出して手足を拡げて体を大きく見せる、銛で地面や木々を叩いて威嚇する、それでも駄目なら、その先は考えたくはないな」

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