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 会話を切り上げて磯へと向かう、かなり回復できたと思うのだがどうだろうか、一晩眠ればかなり違うとは思うがまだ食糧確保があるし、今日は米を炊きたい、雨やら豊漁やらで後回しになっていたしな。

 磯に到着してすぐさまホースをセットしての水抜き、墨巣さんは竹銛を構えて岩場に立つ、なんと言うかあの背中も見慣れたな、かなりワイルドで背中にアマゾネスって書いていそうなくらいにはオーラと言うか雰囲気がある。

流石に口に出すわけにはいかないが、評価や感想ではなくディスる事にしかならないし。


 うん、自分で言うのもなんだが大概失礼な感想だな、それでもこのワイルドさは本当に凄い、陸上選手ではなく銛漁師と言われれば得心するくらいには似合っている。

 俺も俺で経済人ではなく水抜き漁師と言われれば否定するのは非常に面倒な行程を挟む必要がある。

と言うか経済人でもないか、現状ではニートと就活中の狭間だ、それをなんと呼ぶのかは不明だな、それに大前提として俺の専門は経済学でも心理学から見たマーケティングとかなり特異だ、より正確に言うと色覚とかフォントだな、後は抑揚とか声質についても調べたか、広告向きの知識が有るわけだから広報人とかになるのかね、そんな区分は無いだろうが。


 本日もそこそこに魚を手にいれる、墨巣さんの方も普通に大きめの鯖を一尾と米を炊くにはちょうどいい量の魚だ、おかずとしては若干ながら多様性に掛けるが、ほんの数週間前までは存在せず、逐一思い出しては絶望して夢見た米が有るだけでどれだけ救われるか、その白い輝きを食べる日を半年以上先のその日を待っていた、その輝きは今この瞬間も俺のテントで待っている、ちょっとくらいおかずが寂しいくらいは大した問題ではない。

 拠点に戻り早速調理に入る、米を炊きつつ魚の処理を済まし焼いていく、どうでもいいけど内蔵をそこらに埋めまくっているのだが木々の成長の助けとかになっているのかね、肥やしにはどうかとも思うが、まぁ少なくとも蟻とかその辺りの虫の餌にはなるだろう、居るかは解らないが。

いや蟻って飛べるんだったな、なら居るか、極端に言えば女王蟻が一匹と雄蟻が何かの拍子に飛来さえしていれば良いわけだし、虫にしろ植物にしろ、鳥にしろ、何かしらの偶然でここを居場所にしている、最たる狸やゴリラなんてイレギュラーの境地も居るが。


 さて、いい感じに魚が焼けて、刺身もご飯も用意できた、さぁお食事の時間だ。

「頂きます」

毎日続ける定例句、食べ物に関する感謝、祖母からの教えはちゃんと続けている、特に米を前にするともういろいろと極まってくるものがある。

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