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塩完成

 アンダーグラウンド連中との付き合いは誉められた物ではないが、割りとアンダーグラウンドからやって来た我が家の成り立ちからするとソッチ方面への繋がりは必須となる、今は土地の片隅とは言え居場所を提供する代わりに裏社会からの手を遮りつつ根回しをやってもらっている、まぁ彼らはギャングやマフィアというより遥か昔の、地域の顔役や社会からドロップアウトした連中のセーフティネットという任侠道に生きる連中ではあるのだが。

それでも残念ながら犯罪行為をしていないわけではないだろう、我が家としては我が家の不利益に動かない限りは、我が家の駒になってくれている限りは、我が家の代わりに泥を被ってくれている限りは居場所を提供するつもりではあるが、何時かはそれも終わるだろう。


 等と思考を巡らせている間に頃合いだな、慎重に土鍋を火から下ろして中身を比較的綺麗な布に移す、そのまま水気を落として苦汁と分離させつつある程度乾燥させておく、後は完全に乾かして竹筒に移せば良いだけだ。

 朝から数えて4時間越えの大仕事がようやく終わる、体はほとんど動かしてないがかなり疲れたな。

「へぇ、けっこう時間が掛かるわね、その土鍋くらいなら2時間もあれば出来ると見てたんだけど」


 「まぁコンロとかなら余裕だろうな、焚き火で安定しない簡易五徳だとこれが限度だと思うよ、バカみたいに薪を消費するなら話は別だけどそれをやると燃えカス混じりで焦げまくった何かになるし」

 「それで竃がどうとか言ってたわけね、効率は段違いでしょうし」

「正解だ、まぁ他にも単純にお湯を沸かしたい時とかも使うしな、薪も余裕が有るとは言え節約はしたい、知っての通り加工はそこそこ面倒だからな」


 さて、適度に乾燥させた塩を移した所で何をしようかね、今から建築となるとほとんど作業は進まないしな、まぁやらないよりはマシだが焼け石に水だ、と言うかできれば休んでおきたい。

 「ねぇ、時間的にも微妙だし、もう少し話さない? 正直に言うと馴れない作業で疲れも有るから休みたいのよ」

渡りに船とはこの事だな、喜び勇んで乗船させていただこう。


 「構わないよ、と言っても流石に祖父母の事に触れるには時間が足りないだろうけど、かなり濃いから」

 「そうなの? 確かに貴方のお爺さんは今までの説明から察するにかなり特異だとは思うけど・・・・・・」

「まぁ祖父が特段濃くて祖母は・・・・・・まぁいろいろ有るんだよ長生きしてれば、と言っても祖母は故人だが」


 「そう、ならそうね、古い家らしいし何かこうオカルト的な、妖怪とか幽霊とか出ないの?」

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