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伝説

 さて、流石に量が量だし一度に運べそうにもない、また明日運べば良いだけなのだが作業を中断する免罪符と言うかウッカリのふりをできるし切り上げよう、本来的に休息を取っているから疲れも顔を見せていないとはいえ無理は禁物だしな。


 とりあえず抱えられるだけの量を抱えて墨巣さんの居るであろう方向へ向かうが流石に同じ轍を踏む訳には行かないし声を掛けながら行くとしようか。

 「おーい、今からそっち行くからー」

返答を待ちながら森を進むが良く良く考えると森の木々の向こうから叫び声が聞こえてくるって割りとホラーなんじゃなかろうか、しかも逢魔が時にはまだ早いとは言えほんの数時間程度で夕暮れだ、なんかどちらにしても恐怖しか与えられない気がしてきた。


 そのまま森を進むが返答はない、もう一度声を掛けておいた方が良いのかな? しかし予想だとそろそろ到着するんだが、たぶん声を出そうと息を吸った瞬間には見える範囲に入る、と言うかツラツラと考えている間に入っている、これはもう進んだ方が早いし楽だ、ここから声を掛けたところでもはや遅い。

 「その、自分から言っておいてなんだかど、森の中からいきなり叫び声が聞こえてくるってかなり怖いのね、なんて言うかホラーチックな怖さが有ったわ」

ほんの数メートル足らず、三歩も進めば触れられるだけの距離に近付いた時にそんな言葉が投げ掛けられた。


 「あぁ、俺も叫んだ後でこれはどうなんだと頭を捻ってた所だ、なんて言うか都市伝説とかな有りそうだよな、ラストは全員呪われてるタイプの怨嗟の声的な奴」

そんな返答をしてみる、共感を得られるかは不明だが俺が頭に浮かんだのが都市伝説だったからな、イメージとしては山に入った大学生グループが謎の雄叫びを聞く、それは何かしらの怨嗟の声で全員が呪われて後は寺か能力者によるお祓いエンドか全員苦しみ続けるバッドエンドかの違いだな、個人的には説明役が欲しいからお祓いエンドと見せかけてのバッドエンド直行辺りが都市伝説の性質としては良いと思うんだが、そこまで触れるとオカルトオタクッぽいから止めておこう。

現時点で俺自身がオカルトの権化みたいな物だし強固にする必要性は全く無いしな。


 「ああ、有りがちよね落ちで全員死んでてじゃあ語部は誰なのよ的な御話に有りそう」

何がおかしいのかクスクスと笑いながらの言葉に若干ながら引いてしまう、俺が言い出した事では有るし言葉自体は返答として正しいと言うか間違っていないのだが、そんなに面白くはないと思うのだが。

けっこうホラー好きだったりするのかな? だとしても俺に語部としての才能も知識もない、落研の知り合いに怪奇怪談話がかなり得意な奴が居たが別に教わった訳でもないしな。

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