無事ではある
なんとかという表現しかないのだが、なんとか形は留めていた、屋根の一部がへし折られてはいるが柱を初めとする骨組みが歪んでいたりはしないし、布が剥がれてはいないから材料も無事だ。
多少修復という手間は掛かるが最悪の想定に比べれば微々たる作業でしかない、むしろ今後を考えての補強作業の方が時間を取られそうなくらいだ。
とりあえず折れた竹を片付ける作業から初めて、外した部分に新たな屋根を張ってしまう、ほんの数本だけで済んだのは本当に僥倖としか言えない。
補強作業の準備を終えたところで作業を切り上げて墨巣さんのピックアップに向かう、漁をしなかったとは言え確認作業に時間を取られたからまぁこんなものだろう、午後からも適当に休みながらの予定となるわけだし、また1日か2日完成が遠退くが仕方がない、昨日の豪雨は凄かったが台風はアレが当たり前でアレ以上もまた珍しくはない筈で、補強しておかないと話にならない、コレだけの労力を費やして作った物が無用の長物とか全く笑えない。
柱と柱の間に斜めになるように竹を渡し、十字に縛る、コレだけでもそこそこの補強にはなるだろうし屋根が張れればさらに強固にはなってくれる筈だ、多少は中に入りにくくなるが住む訳ではないし問題ないだろう。
一部屋根を外したりしつつ補強材を入れ、手で揺らして見てもびくともしないくらいに頑丈にはなったと思う、まぁ竹だから多少の揺れはシナって軽減できてしまうしこのくらいで良いだろう、流石に柱や梁を増やすのは不可能ではないが折角張った屋根を取っ払う必要があるから面倒だし、効果は期待できるが労力に比べれば微々たる物だ。
一通りの作業を終えたところで休憩を取り、その間はひたすら鳴子を製作していく、とりあえず今日はこの辺りが時間いっぱいとなるだろう、体力的にもこれ以上の作業はやりたくないしな。
適度に手を止めて完全な休息を挟みつつひたすら鳴子を作り続ける、失った分を取り戻してもまだ余裕のあるくらいの量がすでに積まれているがまだ見回っていない箇所で無くなっている可能性が否定できない以上は数が増えるのは余裕を生む結果になるだけで良い事しかない。
まぁ若干ながら作りすぎという意識も有るのだが余ったらテキトウに設置してしまえば良いだけの話、困るような結果にはならないし、万が一が有れば細かく裂いて焚き付けに使えば良い、死角のない完璧な理論だな、おそらく誰も論破しようとすら思わない残念理論ではあるが。




