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大荒れ

 だが、よくよく見れば大問題だ、蜘蛛が居る事がではない、いやそれはそれで疑問ではあるのだが流木と共に流れ着いたとかだろう、巣に雨粒が触れて止まっては新たな雨粒と触れて一塊となり落ちている事でもない、蜘蛛の巣の下方、本来であれば円型と言うか放射型に編まれたソレの下方が不自然に崩れている。

 こんな状況になるのは何かが通ったという証拠だ、ソレもおそらく昨日の夜から今に至るまでの僅かな間にだ。

残念ながら他の痕跡は無いが少なくとも高さ的に鹿かゴリラの二択、縄張りがどうなっているのか解らないがここも彼らの縄張りの範囲内という訳か、気を付けた方が良さそうだな。


 そのまま雨に濡れながら森を抜けて拠点に戻りテントの中に転がり込むように入る、流石に疲れたな、倦怠感を我慢しながらの作業だから更に感じてしまう、とは言えこのまま倒れ込むのもマズい。

 最後のとまでは言わないがなけなしの気力を振り絞って着替えを済まし、そのまま座り込む。

 どっと疲れが襲ってくると同時に、爆撃でも受けているのかと誤解しそうな勢いで雨足が一気に強くなり、風はビュービュー鳴って、雷までゴロゴロと嬉しくないアンサンブルを奏でている。


 とは言えある意味においてラッキーだな、大手を振って休む理由ができたし焼き干しも間に合っている、さて、後は墨巣さんへのフォローだな。

 「聞こえてる? ご覧の有り様だから今日はお休みだ、鍋の魚は定期的に鍋を掻き回して生簀みたいにして昼か夜にでも刺身にするといい、焼き干しはそのまま食べるしかないわけだけど我慢してくれ、たぶん夜には止むだろうけど食糧はできるだけ温存して」

テントの入り口をほんの少しだけ開けて強い雨音と雷鳴に負けない大声で叫ぶ。


 疲れた体に鞭打つ行為でしかないがフォローしておかないと不安で堪らない筈だし意味が解らない筈だ。

 全く反応が無いのだが聞こえなかったのかな? 等と疑問に思うなか墨巣さんのテントの入り口が開いて墨巣さんが顔を除かせる。

どうやら何かしらの気配を感じてくれたらしいが聞こえてるのか疑問だな、もう一度気力を振り絞るとしようか。


 先程と同じ事を告げ返答を待つと、親指と人差し指による輪を作るオッケーサインが帰ってきた。

 強まる風と雨音と雷鳴を聞きながら静かにテントの中で過ごす、なんと言うか非常に微妙な休暇になってしまったな、利用させてはもらうが漁に出れない以上はジリ貧になりかねないんだがな、とは言え動けないのが現状だ。

ゆっくり休ませてもらうとしよう。


 そのままテントの中で2時間、雨足は弱まったものの風は強く雷鳴も遠くの方から聞こえてくる、夕方くらいには止むかもしれないがこの風と雨だと磯は危険だし漁は諦めた方が良さそうだな。

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