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安全確保

 急いで作業を進めて最低限の魚を手にいれる、間違いなく一雨来るぞコレは。

 「今日の予定は全部中止、洗濯物取り込んで焼き干しもテントの中に入れるよ、急がないとマズいから説明は後」

荒れる海に銛を突き立てるも全く捕らえていない墨巣さんに声を掛けてイソイソと拠点に戻る、若干以上に不服が有りそうだが議論している時間がない、この風なら嵐の可能性が高い、テントの確認やら拠点周りの確認やら、やっておかないといけない事が多すぎて気を回しているような余裕はない。


 急いで拠点に戻り、捕った魚を二つの鍋に分けておく、とりあえずこれはあと回しだ。

 大量の焼き干しを木から外して取り込み、俺の洗濯物も取り込んでテントの中に放り込んでおく、とにかく急げ雨が降ってからじゃ遅いんだ、倦怠感とか疲れとか今は無視しよう。

続いてテントの確認だ、まずは墨巣さんのテントの張り具合やロープのチェック、杭が抜けそうになっていないか緩んでいないかを確認しておく、続いて自分のテントの確認を済ます。


 そのまま休むことなく拠点周りの木々をチェックしていく、折れそうな枝や枯れ木、根本が腐っている木がないかをチェックしていく、危なそうな物はないようで一安心ではあるがまだまだやらないといけない事はある。

 ただ先程は海の向こうだった入道雲が木々の隙間から見える程に近付いている、予想より動きが早い、間に合わない可能性がでてきたがだからと言って止まる理由にはならない。

拠点に戻り大きめの布を積まれた薪に被せて木の枝を斜めに切っただけの杭で止めていく、濡れないためと言うより飛ばされないための気休め程度の物だが無いよりはマシだろう、いくら周りが天然の防風林とは言えどこまで減退するかは解らないし強まる風からしてかなりの大荒れだ、本当なら建築現場にも同じような保険を掛けたいが危険域を超えてきている。


 旧拠点から自らの洗濯物を取ってきて以降、佇むままの墨巣さんに魚が入った鍋を一つと焼き干しを押し付ける。

 「テントに入って大人しくしてて、俺は建築現場にアレと同じ事をしてくる」

そう言いつつ布が覆い被さった薪を指差す、そのまま返答も待たずにテントの中から適当な布を引っ張り出して森に分け入る、せめて一声掛けて上げたいのだがもう随分と空が雲に覆われてきている、ほんの僅かな逡巡も許してくれそうにない。


 かなり乱雑に放置された竹を一纏めにして、布を掛け適当な竹を割って杭代わりに打ち込んで固定していく。

 とりあえずこれで気休めにはなるだろうがすでに雨が振りだしている、やはり間に合わなかったが俺が濡れるだけなら被害とは呼べないくらい、とるに足らない些事でしかない、とは言え濡れたい訳でもないし急いで戻ろう。

木々を抜けて戻る途中、雨粒が中に浮いていた、一瞬ギョッとして、蜘蛛の巣が掛かっているだけだと再確認してホッとする。

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