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建築再開

 転がった竹に中途半端に屋根が有るだけの骨組みだけの建造物、お久しぶりの干場は変わらずの姿だ、と言うか変わっていたらそっちの方が怖いな。

 竹を適当なサイズに切り分ける所から始まり、真っ二つに割り、屋根材を作り続ける、とりあえず今日はこの作業だけで終えるとしよう、こういうのは流れ作業に持ち込んだ方が早いし楽だ、淡々と無心になって作業を続けるのは学生時代のバイト先の先輩から学んでいる、自分の得意分野に持ち込んでしまえば、それこそ勝ちだ、何を持って勝利と呼ぶのかは不明だが。


 ひたすら作業を続ける姿をどう受け取ったのか墨巣さんは処置なしと言うか、匙を投げるように首を振っていた気がするが気にしない方向で没頭させてもらった、ただ、足元と言うか側に積まれていくパーツを運んでくれたり材料を持ってきてくれたり、端材を片してくれたりとかなり手伝ってはくれた。

おかげで作業はサクサク進み、九割方の竹が屋根材に代わり、少しだけ余る時間で屋根の設置作業に入る。


 梁に渡して釣糸でガッチリと固定する、一枚一枚確実に並べては結び、隙間なくとはいかないがビッチリと並ぶ竹は下から見上げれば中々に壮観だな。

ただ、どうしても半端なのは仕方がないのだろう、それでも墨巣さんの手伝いを計算に入れれば明日には埋まる、後は側溝堀りだが、こちらはスコップが一つしかないからな、停滞は確定だ。


 作業を切り上げて拠点に戻り、装備を入れ替えて磯に向かう、さてどの程度の結果になるか、せめて何時もの半分までは捕れれば良いのだが。

相変わらず凪ぎでもなければ白波でもない、朝と変わらぬ漁果が見えるようで静かな水面に閉口し辟易してしまう。


 やはりと言うべきか朝と変わらず潮溜まりが静かだな、底の方で佇む小魚は少しばかり居るようだが、さてどうなるかね。

 ホースをセットして水抜き、鍋で掻き出し加速化、この流れも全くの無駄なく行えるようになってしまったな、こんなものを最適化してどうなると言いたくなるが、かなり役に立っているのだから構わないだろう、ただまぁ、日常に戻った時に特技の欄には書けない類いの技術ではある。

と言うか文字に起こすのはかなり難易度が高いな、無理矢理にでも文章化するなら『サイフォンの定理を利用して潮溜まり等の水を抜き、逃げ場を失った魚を捕らえる漁を得意としています』って所か、俺が面接官なら疑問には思って問いただしても受け答えの印象にもよるがエピソード自体にはプラス評価は付けないな。


 とりあえずアジが少しか、もう一つ次第だがあまり期待はできそうにないな。

 ホースで水を吸い出し鍋で掻き出しと本日通算四度目となる作業を行い、無駄に体力が消費されている感が強い、普段なら1日二回だからな、倍となれば相応に疲れもするか。

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