ありがた迷惑
「君が預かっていてくれ、ゴミと一緒に次の支給で送り返すから」
苦渋の決断だと言わないといけないな、とは言えまだ3ヶ月くらいしか経っていないのだ、1年も経てば欲しくならない可能性もあるし禁煙が成功する可能性も高い、まぁ戻ってしばらくしたらまた吸う可能性も非常に高い辺りは俺の背負った業だな。
誰が悪いという事もない、単純に徹マンのお供に、大学生としての箔付けに吸い始めた俺が悪い、ズブズブだらだら続けて気付いた時にはタールとニコチンが体に染み付いていたというだけの、何処にでも転がってるような理由。だからと言ってバカな事をしたという後悔や反省がない辺りが業が深い、とは言えこの数カ月は禁煙に成功しているんだ、せめてここでの生活中は続けてみよう。
さて、意識を切り替えよう、届いた荷物の量は多くない、祖父の言葉をそのまま受けとるなら今回は調味料がメインでその通りに醤油等が多い、墨巣さんの荷物の方には無かったからここでバランスを取っているんだろうな、流石に俺と全く同じ内容の荷物ではなかったし。
斧が鉈になっていたり、お歳暮用調味料セットがシャンプーボディソープだったりと細かい所で調整されている。
脱線したな、この中でメインは米と缶詰めか、米は五キロで9月まで持たせようと思うと厳しいな、二升と八合くらいか2日に一合を分け合うとして約60日、微妙に足りないな。
いや、もう月末だし2ヶ月なら8月の終わりくらいに米がなくなる訳だ、9月の始めに荷物が届くなら調整すればなんとかはなるか。
その辺りの確認は明日の定期報告でだな。
フルーツの缶詰めだがこちらは分かりやすく四缶だけだ、桃とパイナップル、ミカンとあんみつの缶詰めが一つずつ、こちらは節制しないとな、最悪の場合を想定するならロビンソンから逃げるための囮にする事も考えないといけないし。
とまれ、調味料はかなりの余裕ができた、これなら煮付が毎日とは行かないが頻繁に楽しめそうだ。
「けっこう量的に厳しいな、明日の定期報告で確認するとして、ご飯は3日に一度、茶碗に一杯分くらい、フルーツは月に一回くらいかな? あんみつと桃缶は墨巣さん用だろうけど」
いろいろと思案した結果、そう結論付ける、桃とあんみつに関しては俺が黒蜜や桃を苦手な事は祖父も知っているし完全に墨巣さんのための物だろう。




