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予定

 言葉はまるで片言のような口調で上段めかしているがその実、かなり厳しい一言だ、キチンと理解していたならフザケルナと、していないなら今一度見据えて貰おう。

 「ええ、痛いくらいに理解しているわよ」

そんな自嘲というか苦々しげな口調で言われても返答に困る。


 いやまぁ、突き付けたのは俺な訳だから甘んじて受け入れる、さて返答は


 「あぁ、なら良い、現実を直視しないと割りと後々キツいからな、俺も何度か逃避して打ちのめされてる」

 困った事に何度となく現実が襲ってきている、漁の時に、製造中に、建設中に、逃避して楽しんで、そんな自分に何度も直面して打ちのめされている、困った事にその辺りの事を勉強というか学んでいない、何度も痛い目を見ている癖に覚えないという残念さ具合が物悲しいな、本当にいい加減覚えて心に刻み付けておけと言いたいな、自分の事だけど。


 「さて、とりあえず明日の予定だけど俺は変わらずトイレ作りと可能なら椅子作り、墨巣さんには釣糸解しだけど、そろそろ終わるだろうし次の作業を考えないとだね、一応先の予定としては干場の建設とか竈の建造とか、探索とかあるけどさて何かしてみたい事とかある?」

 有難い事に彼女は自分の言うような不器用な感じはしないから何かしらの製作をしてくれるなら支援は惜しまないし、可能な限り彼女の意を汲んであげたい。


 「そうね、探索したいところだけど二人での方が安全だろうし、食糧確保も私一人じゃ危なっかしいでしょう? そうなると貴方の手伝いになるわけだけどそれも手詰まりとなると、単純に武器の強化と装備の確認って所かしらね」

 ふむ、まぁ妥当かな、うんそう思おう、所有物の確認は必須だし、彼女の言うところの武器である銛も切った竹を尖らせただけだしな、サバイバルの本にはその辺りの項目も有ったし一応は読んでいるから自分なりに昇華させるだろう。

「良いと思うよ、基本的には俺と同じ物だから解説はできるし」


 「あぁ、そう言えばになるんだけどゴリラの食性に詳しかったりしない? 俺の中だとフルーツしか食べないイメージなんだけど」

なんだろう、盛大にミスった気がするな、いや、盛大に事故ってるな、真面目な会話からどんな落差だ、しかもこの後は話題もなくおやすみなさいしか告げられない状況だぞ、短絡的と言うか、会話のやり方を忘れているらしい、全部脳内で自己完結だった弊害だろうか。


 「残念ながら詳しくないわね、ただかなり前になるから記憶は定かでは無いけど、テレビでやってた特集だと木葉を主食にする雑食だったと思うわ、その番組では他の霊長類も紹介してたから混同している可能性もあるけど」

十分だ、少なくとも俺の持つゴリラのイメージからは離れていない、何より彼はロビンソンは笑っていた、その意図が我々人間と同じかは不明だが、少なくとも害意が有るならあの瞬間に倒されるなり殺されるなりしているし、とりあえずは大丈夫と思う事にしよう。

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