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現実逃避

 「いや、今回は船は使わん、お前の持つ衛星電話の位置情報からピンポイントで空からの運送となる、儂の知り合いに自衛隊の放出品の災害支援用ドローンを持っとる奴が居るからソイツに頼む事になっとる」

 口が開いたまま塞がらないとはこの事だな、墨巣さんもアングリと口を開き、ブルジョワジー溢れる祖父の一手に驚いている。

「ドローンって、そんなので大丈夫なの? 墜落したりしない?」

個人的に気になる点に触れる、決定事項に口を挟むより懸念事項の解決からだ。


 「うん? ああ、心配ない、払い下げの中古品と言っても最新機に負けず劣らずの逸品らしくてな、8枚のプロペラに燃料を除いた積載量は最大15キロ、最大高度6000メートル、最大飛距離は1000キロの化け物機体らしい、まぁ災害時にカメラを積んでの偵察や、食糧薬品を積んでの避難所への輸送、子供の一人くらいなら救助も可能な官製品、荷物の一つを海を渡して運ぶくらいは軽いじゃろう」


 うん、とんでもないな、とりあえずどれ一つ取っても俺が知ってるドローンじゃない、これから切り替えられた最新機はどんな化け物だよと言いたくなるくらいのモンスターマシンだ、こんなの個人で所有してるって変態とか酔狂とかの段階を越えて奇抜過ぎるぞ。

 「あの、大事になってる気がするんですが」

そんな墨巣さんの言葉に肯定しかできない、ここまでやるか普通。


 「解っとらんね、君が殺されそうになった時点で既に大事なんだよ? それに下手に人をやって情報が漏れれば打てる手が打てなくなる、信用できる人間を使うしかないし、何よりアレなら君の個人情報を持ち帰る機器を取り付けて荷物を運んでもお釣りが来る、変な勘繰りを消し去る程度には上手く動けるのでな」

 ああ、確かにそうだよな、既に大事件で異常事態だ、現実離れしすぎていて現実逃避していたらしいな、何処か遠足とかキャンプとかの雰囲気が流れてしまっていた、もっと気を引き締めて当たり前だというのにだ。


 「なんにしても後手に回ったのが痛いって事か、表向きは俺の泣き付きに対応って形だけどそれにしては理由が薄いし、打った手が大き過ぎる、いくらなんでも急に孫バカになりすぎにならない? 流石にその辺りの情報をマスコミが持ってるとは思わないけど調べようと思えば簡単に漏れる程度の情報だよ?」

 自分で言うのもなんだが、俺は祖父に甘やかされた覚えはあまり無い、そもそも我が家系は個人思考が強くてせいぜいが一族としての意識を持ってる程度で、それも個人の理由で後回しにする程度の物でしかない、仮に勘当されても全く問題にしない個人主義で、身勝手で、それでも自分達の在りかたを模索する、俺が知る高田家はそんな感じだし、我が家をよく知る者なら知っているだろう知識でもある。

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