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現実

 夜中や明け方に何度か目が覚めつつもなんとか眠りには就け、ほんの少しではあるが体は休まった、まぁ全快じゃないからそこまでの能力発揮とはいかないだろうが。

 さて、疲れは残っているしまだ眠いが朝の漁だ、ストレッチを済まし装備を整えて全ての準備が終わった頃。

「早いわね、私も私で寝付きが悪かったし元々朝は早いけど、流石にまだ夜明け前に起きたのは始めてね」


 そんな言葉が背後から聞こえてきた、起こしたのか起きていたのか、彼女からしたら俺が作ったシェルターなんて安心できず、眠りに就くのにも苦労する寝具だ、申し訳ないと思うと同時にすぐさま否定する、いやいやそもそも客人の想定はしていないと。

さて本日の予定は昼まではこちらで漂着物拾い、昼食を挟んで本拠地に移動だ、とは言え警戒の必要もあるからあまり作業は進まないだろうが、とまれまずは返答からだな。


 「あぁおはよう、朝の干潮に合わせるとだいたいこのくらいには起きないと昼めしがなくなるんだよ、此処にはコンビニはないからな」

 と言うかよく朝一で状況を把握できるな、普通なら此処は何処と狼狽えると思うのだが、そもそも夜中に泣き出したりしそうなのにそんな事は全く無かった、俺ならという想定が失礼に感じられるほど強い、普通とか俺ならとかを超越しているように感じられる。

こんな非日常、対応できないのが当然で追い込まれていてもおかしくはないんだがな。


 「じゃあ私も行く、あと昨日は聞けなかったんだけどお手洗いって何処?」

あぁ、忘れていた・・・・・・これはマズイな、さてどう伝えたものか、間違えるとセクハラにしかならないぞ。


「凄く言いにくいが、ありのまま伝えると小さい方ならその辺か、俺は少し下った所にある滝より下流の川でしてる、大きい方なら穴掘ってやるか海でやるかだな、トイレットペーパーとかないから不浄の左手使うことになるけど」

 ありのままを伝えるしかない、言葉は選んだがさてどうなるやら、とりあえずいい加減トイレを作る事も考えないとダメかね、持ち運べる椅子みたいなヤツで海で濡れないような物、作るのはそこまで難しくなさそうだし、明日にでも作るかな。


 「それは、ちょっと判断を間違ったと言いたくなるわね、知っていたら引きこもってたわ」

そんなテンションダウンな声に追い打ちを掛ける訳ではないが、念のため伝えるべきことを伝えるとしよう。

「念のため先に行っておくが風呂は無いからタオルで体を拭くくらいでシャンプーも毎日とはいかないし着替えも洗濯も定期的じゃあないな、洗剤の在庫を考えると使えば使うだけ後が辛くなるからな」


 女性には辛い事実だが、伝えておかないと今晩辺りにキョトンとした表情と絶望が見れただろうが、うん今まさに軽い絶望の雰囲気が見えている。

申し訳ないがフォローもできないし、困った事に助ける事すらできない。

とまれ、回復を待つ時間もないし磯に向かうとしようか。

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