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良いとこ取り

 「流石に苛烈過ぎない? それこそ2と3の折衷案でも取れば良いと思うんだけど、確かにここなら色々とシャットダウンできるだろうけど」

そんな俺の呟きはさて受けいられるだろうか、少なくとも的外れな意見では無いから速攻で却下なんて事にはならないだろう。

 「私の高校時代の経験から言わせてもらうと、中途半端はまず間違いなく後に響くわ、それならいっそ苛烈なくらいがちょうどいいのよ」

そんな言葉を発したのは墨巣さんだった。


否定されるなら祖父が一番槍だと思ったのだが、まさかの伏兵に切られた感がある。

 しかし中途半端なぁ、確かに半端と言えば半端だが手としては悪くないと思うのだけどな。


 「ふむ、とは言え健太の案もまた間違いではないだろう、それに残念だが、途中でやっぱり替えるなんて事はできない、今一度考えてみなさい」

そんな祖父の言葉は非常に優しい、まぁ状況的に押し付けも良いところだから強い口調を取りにくいというのも有るんだろうが。


「やっぱり4でお願いします」

即決である、考え直すとか一切なく瞬時に決めてしまっている、意志がすでに固まっていたんだろうなと、今更ながらに理解する。


「ふむ、ほぼ即決だが、まぁ良いとしよう、ただ勿論そこに裸一貫で放置という訳にもいかんしこちらで色々と用意して送るとしよう、日程が決まり次第また連絡するが、その前に必要な物だけを決めてしまうとしようか」

「健太、お前から見て必要になりそうな物を挙げてくれ、ただ表向きは儂が可愛い孫に甘くなって送る物だ、段ボール一つ分と思ってくれ」


 「まずは服だろうな、流石に俺の服じゃサイズが合わないし荷物の半分とまでは言わないけど梱包材代わりに三分の一くらいが服にした方が良いと思う」

一瞬の躊躇いを置いて俺も俺で即決する、今までの経験と俺の所有する物も活用するとして、足りない部分を埋めつつ彼女が生活をしていけるだけの物を選ぶとしよう。


 「次はテントと寝袋、それにサバイバルキットに医療キット、浄水器と水筒、後は鉈かな、それでも隙間が空くなら靴とか日用品って感じだと思う」

 流石に段ボール一つだと数が解らないしサイズも解らないからこの辺りが限界だな、段ボールが俺が持ち込んだ物と同じサイズならぎりぎり靴までなら入るし服の量次第じゃあ更に何かを詰め込める。


「まぁ2ヶ月もそこに住んでるお前が言うなら間違いは無いんだろうな、とりあえず医療キットとサバイバルキットと浄水器はお前が買った物と同じで良いとして、服はどのような物が良いかな?」

そんな祖父の言葉は凄く軽い、他人事だと思ってやがるな、あの狸爺め。


 「お義父さん、まさかと思いますが女の子に服のサイズを聞き出すつもりじゃないでしょうね? 健太も聞き耳立てるんじゃないのよね?」

そんな心が一気に凍り付くような声を発したのは間違いなくお袋である、それもかなり怒った時の声。

うん、逆らったらヤバい、と言うか逆らえない、ここは戦略的撤退だ。

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