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ホイホイと

 なんとも微妙な気分のまま漁を終えてシェルターに戻る、さて今日はタコに小魚に大きめの魚と沢山だ。

調理の順番とタイミングをミスれば薪を使いすぎてしまう、只でさえ数時間焚き火を維持して少なくない量を使ってしまっているしな。


 これだけ大量の魚を処理するのは骨が折れるな、とは言えナイフは一本しかないしな俺が頑張るしかないだろう。

 炎を灯して小魚を捌いて串打ちして焼いていく、とりあえず半分程は焼き干しにするとして焼加減の確認は墨巣さんに任せて良いのかな? 料理とかできる人だと良いけど。

「焼加減とか見てもらっても良いかな?」

そう告げながらひたすら小魚を捌いていく。


 「え、えぇ任せておきなさい」

なんだろう今の返答だけで焼け焦げの未来が見えた、とりあえずちょくちょく確認するとして残る魚を捌いていこう。

 時おり魚を皿に盛り付けては焼いていき、合間を見てはタコを洗って炒めてクロダイとカワハギを捌いて石焼きの準備を済ませる。

たぶんテキパキという擬音が何処かから鳴り響いているだろうな、此処まで忙しいのも久々だな。


 小魚の半分を焼き干しにするべく吊るしていく、適度に墨巣さんを促して小魚とタコの炒め物を進めつつ俺もチマチマ食べて調理を続けていく。

 ようやくメインとなるカワハギとクロダイが焼き上がる頃には腹もそこそこ膨れて、俺もようやく一息着いていた。


 「そう言えば結局聞けなかったけど、どうして此処に居るの?」

 食事を続けながらそんな問いが墨巣さんから投げ掛けられた、まぁその辺りはボカシたからな、普通に気になっても仕方がないか。


 「就活に失敗したって言ったと思うけどその報告を親と祖父にしに実家に帰ったら仕事の口利きと幾つかの賞品に釣られて1年サバイバルしろって祖父から話が有ってな」

「ほんの数ヵ月前の俺は二つ返事で受けちまったって訳だ、全くもってアホな選択だったと後悔してはいるが、まぁ残り10ヶ月近くやっていくつもりだよ」

今さらだが我ながら簡単に釣られ過ぎたな、交渉をしたとは言え終始祖父の掌の上で躍り狂っていただけにしか思えない、もう少し粘った方が良かったなと後悔してしまうが、後悔の方向性が違う気もするがそこを気にしだすといろいろと終わるな。


 反応はなんと言うか無言で可哀想な目で見るというドン引きで終わった。

気持ちは解らないでもないが、せめて一言でも良いからコメントが欲しいな、無言は心に痛すぎる。

 まぁ気にしない方向に持っていくとしよう、そうじゃないと耐えられそうにないしな。

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