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自己紹介

 薪に火を灯し、補充分の薪をある程度積み上げていつも腰かけている丸太から離れた地面に腰を下ろす、焚き火の近くは彼女に譲るべきだらう、濡れた体を暖めて乾かして、そして落ち着いて貰いたい。

 意図は汲み取ってくれたようで焚き火の側の丸太に腰掛ける、薪は勝手に追加するだろうが場合によってはタイミングを指示するとして、さて予定通り自己紹介と状況説明から初めていこうか。


 「さて改めて初めましてだ、俺は高田健太という、高い田んぼに太く健康で高田健太、大学卒業したばかりの22」

 我ながら流れるような自己紹介だな、合コン以来で若干ながら不安も有ったが払拭された、これならある程度の疑問にも臆せず焦らず返答できそうだ。

まぁ向こうも初めは自己紹介だろうし気負う必要もないか。


 「貴方、まさかとは思うけどこんな所に住んでるの? だとしたらどうかしているわよ、あんなのがうろうろしているような場所で寝泊まりなんて正気の沙汰じゃないわ」

うん、素晴らしく切れ味の鋭い疑問というなの全否定、さっきまでの緩んだ気持ちを引き締めなおして

「そのまさかなんだなこれが、ただ流石にゴリラが居るなんて思ってもいなかったし、あんなの想定する程ぶっ飛んだ思考回路はしていないな、まぁ置かれた立場とかが非日常だから信じにくいとは思うけど、その辺りを話す前に自己紹介くらいはお願いしたいんだが?」


 「墨巣麻里、墨汁に鳥の巣で墨巣、麻布に里芋で麻里、歳は21、言っておくけどハーフとかクォーターとかじゃないから、もう一つ付け加えるなら早く警察署に案内してくれるかしら? ここは島だと思うけど派出所か駐在所くらいはあるでしょ」

なんというか仕方がないとは言え、つっけんどんな印象は否めない、愛想とか期待できそうにないなこれは。


 「さて、疑問は多いだろうがまずは質問に対する返答からだ、できれば質問は今ので中断して最後に回して欲しいんだかね」

「まずお察しの通りここは島だ、太平洋に浮かぶ火山島で名前を大中火島という、住所的には東京都になるが位置的には和歌山の南数百キロはあるな、そして我が一族の所有物の一つで、残念ながら無人島、入植した事もないから人工物はほぼなし、居るのは俺と野性動物と君だけの極限世界だ」

一切の返答を待たずに一気呵成にまくし立てる、残念ながら込み入り過ぎて一つ一つ質問に答えるような優しさを持てない、彼女には申し訳ないと思うがこちらのペースに付き合ってもらうとしよう。


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