警戒網
さて、もうそろそろ夕方なんだがド派手に降っている。
風も強いしこれはまた荒れに荒れているな、このまま明け方続くならお袋と望がガチギレそうだ、前者は洗濯物的な意味で後者は天体観測的な意味でになるが。
しかもお互いに最悪の場合でもの天候が真逆なんだよな、昼晴れて夜降るか、夜晴れて夕方降るかの違いとなる。
やるべき事もないままに雨音と風の音をBGMに焼き干しを食べてそのままボーッとする、ひたすら時間を無為に過ごす1日が終わるまでひたすら耐えるしかない。
なんとか晴れたようで雲はチラホラ有るが洗濯物が良く乾きそうな青空が広がっていた。
これなら昨日停滞した作業を進める事ができる、幸いにして量としては微々たるものとは言え、鳴子も幾つか作れている、昼までには必要量にギリギリ届かないくらいの量が確保できる。
予定よりは様々な事に時間が使えそうだが、同時に丸1日を埋めるには足りないなんてレベルじゃない、ズレ込むのは仕方がないし別に期間が決まっているわけでもないが早い方が良い。
磯での漁を済まし、建築現場に向かいすぐさま作業に入る。
竹を切り分けて加工し鳴子を作っていく、昼御飯までに昨日の数個に加えて二桁を越える量を加工するがもう一声足りない、一気にやってしまいたいしせいぜいが少しだけほんの十数分の差だ。やってしまって問題ないだろう。
必要量と思われるだけの量を確保して拠点に戻る、若干の誤差はあるだろうが足りなければ足りないでまた作れば良い。
昼食を楽しんでから少しだけ食休みを入れる、時間的な余裕が有る以上に早食いをしてしまったからな、少し胃を落ち着かせたい。
気分と胃が落ち着いた所で何度か往復して持ち込んだ鳴子をセットしていく、可能な限り等間隔に設置して全てが設置し終える頃には警戒網もほぼ完成していた。
やはり数個足りないな、補充しに行くとして予定していた竹の伐採は次の機会に回すとしよう。
とは言え時間がかなり余るし屋根材の加工もついでにやっておこう、ロープの在庫も少しは残ったしそれを使いきるくらいの量を加工すると時間的にちょうど良くなる筈だ。
ひたすら竹を加工し続け途中で切り上げて鳴子の設置を済ます、これで警戒網が完成したが嫌な感じは全く拭えていない。
動物の可能性も有ったのだがどうやらこれは違ったらしい、とは言え少しだけ絞り込めた、昨日の雨に何も感じなかったし台風の可能性もかなり低くなり動物の可能性も潰えたとなれば残るは地震と火山、もしくは隕石とかになってしまう。




