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瞑想

 テントから顔を出して空を見上げる、幸いにして曇天で踏ん張ってくれているが降りそうだな。

 これが虫の知らせの原因だとしたら、物凄い豪雨が考えられる、ただどうなんだろう、過去にも豪雨は何度も体験しているし実家近くの川が氾濫しかかったり一人暮らししてたマンションが停電になったりもしたがその時はなんの気配もなく天気予報くらいしか事前に察知する事はできなかった。

となると俺が経験した事がないクラスの大荒れとなる、まぁ豪雨と確定した訳ではないから準備としては川の氾濫はほぼ大丈夫だろう、位置と高さ的にこの拠点は安全だ、問題は土石流とかだがそちらに関してはすぐ逃げるくらいしかできない。


 さて悪い事ばかり考えていても気が滅入る、そろそろ水も抜けるし漁に集中しよう。

 ウヨウヨと蠢く魚を捕らえ、一匹ずつチェックして鍋に投入していく、ありがたい事に本日も必要なだけの魚を手にいれた、天気はまだまだ踏ん張ってくれている、今のうちに焼くだけ焼いておこう。

全ての魚を捌いては串うちして焼き干し竹製の皿に積んでいく。


 さて次の作業は鳴子作りだが天候は相変わらずの曇天どころかより色濃くどす黒い雲が空を埋めている。

 竹林に到着すると同時に作業を開始する、竹を切り分けて加工してワンセットずつロープで繋ぎ鳴子を一つ作り出す、それをひたすら続ける中、ポツリと肩に雨が触れた、その時点で全てを諦め荷物を纏めてイソイソと拠点に戻る。

少しずつ強くなっていく雨足に追われながらテントに転がり込む頃には服の大部分が濡れてしまっていた。


 とりあえず着替えを済まして荷物を下ろす頃になるとザーザーとバケツをひっくり返したような大雨になっていた。

 これはもう丸1日潰れるな、まぁ朝の漁ができただけ良しとしよう、最低限の食糧が確保できただけでもかなり楽になる、焼き干しは有るがやはり残しておきたいのも事実だからな。

こんな生活だと保険は何重にも描けておきたい、かと言って無駄な部分も削ぎ落としたいのもある、その辺りのバランスの取り方も経験が足りないから難しい。


 さてこの雨だと何もできないし、少し早いが昼飯といこう。

 少し時間は経っているが焼き干しとは全く違うな。やはり干すという工程が加わると変わるらしい、当たり前だが今食べているのは冷めた焼魚で焼き干しではないという事だな。


 やる事もないしボーッとする事で時間が過ぎ去るのを待つ、もはや瞑想とかの域には達しているとは思うのだが、こんな事を考えている時点で瞑想ではないという矛盾。

まぁ別に瞑想をしたいわけでもないし、そもそも座禅じゃなくて寝転がってるだけだしな。

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