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気分爽快

 拠点に戻り鍋でお湯を沸かしタオルを浸けておく、後は全裸になり固く絞ったタオルで体を吹けば気分は爽快となる。

 けっこう久々な気がするのだが正確な日数までは不明だ、本当なら3日に一度はすっきりしたいのだがそう簡単じゃないしな。

体の汚れを拭いて髭を剃り、髪はまた次の機会に洗うとしてけっこう身綺麗にはなったはずだ、シャツや下着は毎日のように洗濯しているがズボンはこういう機会じゃないとしないしな、汚いとは思うがそこまで気を使っていられない。


 洗濯物を干し終えたところで磯に向かう、そろそろ焼き干しの入れ換えもしたいし、この数日は降ってないが時期的にそろそろ来そうな予感がする、少し多目に捕っていこう。

 小鯵に鰯を手に入れて、のんびりと拠点に戻る、ありがたい事に今日もまた食糧が捕れている、カツカツの生活ではないだけ気持ちは楽だ、惜しむらくは米が無いことくらいか。

また考えてしまった、ここしばらくは忘れていた白米に対する欲求がまた沸々と出てくる、魚だけでもかなりありがたいのに主食まで求めるのは贅沢が過ぎる、解ってはいるがそれでもまた忘れるまでの我慢が続くな。


 焚き火で焼き干しを炙りながら魚を焼いていく、よくよく考えれば焚き火で焼き干しを炙るなんて海辺とかでもできないレア体験だな、普通は新鮮な魚や貝を焼くだろうし大抵はコンロか囲炉裏だ、それでもやるとしたらそこそこの金額は払わないといけないしスペースや薪の確保を考えれば割りと高額になりそうだな。

 まぁバーベキューとかでやる人も居るかも知れないがそちらはそちらで肉と焼きそばとマシュマロのイメージだ、後ビール。

唐突に夏に親父が庭先に七輪を出して空豆を焼きながらビールを飲んでいたのを思い出す、興が乗った日などは俺にもお零れとして焼いた鶏肉やら炙り物やらを分けてくれたし、去年等は俺とチェスをやりながら炙った空豆と鹿肉、お袋手製の白和えで数リットルのビールと一升の冷酒とウィスキーを一瓶空けたのが懐かしい、俺はそれぞれ二杯ずつでダウンしたが。

かなりのザルで蟒蛇なんだよな、食うと決めたら際限無いし、なんで体型維持できてるのか不思議だ。


 そんな日常もほんの2ヶ月前には当たり前の事なのに無性に懐かしいな、いや実家に居たけどあんまり親父と話してないし1年くらい前になるのか、いやいやそもそも去年もチェスやりながら静かに呑んだ記憶がある、今更ながら親子の会話が無さすぎる。

 帰ったらゆっくり話しでもしたいのだが、ただ帰る頃には忘れてるくらいには陰薄いしな、外では神の手なんて呼ばれてるアスリートの救世主でも我が家においてはただのオッサン、居ても気にしないし気にも止めない、自分から何かを発信するのは稀でただ静かに呑んでいる、そんな人だしな。

よくよく考えれば話すような事なんてこの生活の大変さとかその程度だし、困った事に親父から聞いてきそうにもない、別に嫌ってはいないのだが空気過ぎる。職場でどうしてるのか謎だな。

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