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 昼御飯を挟んで何時もと同じく竹林へ向かう、柱を優先したいのも確かなのだが運搬をサボると後が怖い。

 別にサボったところでペナルティもないのだが、こういうのはじわじわ効いてくる気がして手を抜けない、やはり夏休みの宿題理論が適用される分野になると思うが先伸ばしの後に待つのは徹夜による地獄だ。

間違いなくすぐに使う物でも有るし、数が足りていないのだ、微々たる物だし焼け石に水だがやらないよりはマシだろう。


 積まれた竹からテキトウにピックアップし束ねて担ぐ、もはや持ち上げる段階でバランスが解るようになってきた、座りの良い位置を探す手間は最小限になり効率的に運搬が可能だ。

 フラツキもなければ引き摺るような事もなく丘を踏破して一休みする、この休暇も最初の頃は竹を下ろして数分の休息だったのが、担いだまま数回の深呼吸で息を整える程度にまで圧縮された。

時間の余裕がドンドン生まれていく、正のスパイラルは天上知らずに加速している、まぁ1日が24時間だし、その中で起きている時間は15時間くらいだから限度はあるが、それでも作業量は格段に増えている。


 余力を残して竹を運び込み残る作業を進めていく、残るは柱が二本と梁が一本、そして屋根材になる。

 今日のところは柱までだが明日には梁と屋根の建造まではいける、完成は先になるが一気に進めるのが可能だ。


 太い竹をセットして柱を固定していく、ロープで縛るだけなので過重に耐えるだけの強度はそこまで強いとは言えないが五本の柱で分散させているし、節を抜いた竹なら重さもそこまでいかない。

シェルターに至っては薄いとは言え鉄板を使っていても耐えてくれた、それでも不安ならもう少し柱を建ててしまえば良いのだ。


 時間を限界まで使い柱を建造し鳴子を幾つか作ってセットする、何度か回り道もしたがようやく一山越えた、後は目標まで一直線。

 屋根さえ終われば残る作業は盛土と側溝だけ、だけとは言ったもののかなり時間が掛かりそうだな、ある程度ダウングレードするだろうがそれでも屋根と盛土だけで2週間は使うだろう。

完成する頃には6月も半ばほとんど梅雨時が終わっている、だが台風シーズンには間に合うから良しとしておこう。


 作業を切り上げて磯に向かい漁に勤しむ、まだ楽しむと言えないのは余裕が無いからだな、わりとカツカツでやっているからな、生活自体は楽しんでいるが漁だけは真剣にやらないといけない気がしてしまう、一時期はとちくるって楽しんでいたような記憶もあるがお袋のお叱りを受けて考えが改まって久しい。

 何処かふざけたりしていたがお遊びは介在しないし、してはならない、それはこの島に来た時に心に刻み込んだ鉄則、ここはもう自業自得の自己責任の世界、歩く事も食べる事も眠る事でさえ怪我に繋がるのだ、特に海との戦いとなる漁は洒落にならない、現時点では建築とタメを張る危険度だ。

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