ディグディグ
宇宙のロマンを存分に楽しんでからテントに戻り眠りに就く、しかし凄かった、自然の雄大さが解る光景だな、ついでに月の明るさがどれだけのものかも理解できる、町にいた頃は街灯とかの方が明るいから気付かなかったが意外と明るい。
昔の人は月明りの下なら本が読めると言うがあながち嘘じゃないらしい。
まぁ視力が落ちそうだし、本なんかサバイバルのやつしかないしな、やるつもりは微塵もない。
昨日と同じく天候は良好、作業を進めるには絶好の日和だな、やはり晴れてくれないと捗らないし気分も落ち込んでしまう、朝から天気が良ければテンションも上がって良いことずくめだ。
さて、顔も洗ったし荷物も背負った朝の漁に出掛けるとしよう、今日の予定は穴を堀り終え、次の作業の準備まではいくだろう。
何時ものように魚を得て、一度拠点に戻り装備を整えて建築現場に向かう、さぁ昨日の続きだ、昼御飯までに七割はいきたい。
フライパンで地面を掻きだし、土がドンドン掘り下がり代わりに掘り出した土が山を築いていく、固まってしまった地面は掘り進む速度を停滞させ、腕が何時もより疲れてくる。
火山灰が降り積もった土ならもう少し柔らかいイメージがあるのだがその辺りの知識はないからな、あるいは天然のセメントみたいな性質を持っていたとしても解らないという事で、無知というのは非常に損をしていると実感する。
テキトウな所で切り上げて川で手を洗い、昼御飯の時間となる、本日はゴンスイが多めで捌くのに多少手間が掛かったが最終的な焼き加減は完璧な物になっている。
相変わらず味は良い、これで毒があるというのだから詐欺みたいだな、魚の中でも最先鋒を行っているフグがアレだから当然かもしれないが。
食事を終えて竹林に向かう、このルーティーンにも慣れてきたな、この一月にも満たない期間で染み付いてしまった。
この日常が変わる頃には干場の大半が完成し新たなルーティーンが生まれている事だろう。
切り出された竹の中から細い物を選び出して束ね、端材も束ねてリュックに詰め込む、一気に担ぎ上げてバランスをチェックしつつ収まりの良い所で留め、そのまま運び出す。
岩と土と砂利の丘を登り、少し休んで今度は森の中を突き進み拠点を経由して建築現場まで運び込む。
とりあえずこれだけ有れば警戒網は確実に設置して有り余るだろうという量が積まれている、ただし全体的な必要量の予想には届かない、ようやく半分を越えたくらいだろう、まだまだたくさん竹が必要になる。




