装備チェック
美味しく魚を焼き、パリパリの皮とホワホワの身を楽しんでいると、ポタポタと雨が降った来た。
急いで焼魚をテントの中に避難させ、自らもテントの中に飛び込み外を確認すればまるで待ってくれていたかのようにザーザーと雨が降りだした。
これは夜までコースっぽいな、昼まで持ってくれただけお天道様は温情が有るらしい、少なくとも食料の備蓄は有るし、多少は作業が進んだからな。
さて、残っている魚を食べてしまおう、流石に干してもいない魚を夕方まで残していても傷むだけだしな。
ただこれを食べ終わったらもうやる事はあまりない、まぁ良い機会だし装備のチェックでもやっておこう。
斧の刃や持ち手その接続部分をチェックし、ガタつきや緩みがないかを確認する一応使う前にチェックはしているが2ヶ月近くも使っているのだ、何処かしらに問題が有っても可笑しくはない。
幸いにして多少切れ味が落ちている以外に問題は無かった、まぁ斧は切れ味がどうこう言うような類いの物ではないができれば研ぎたいな、ただ砥石はないから探さないとだが。
お次は鋸だがこちらはまだ錆びすら浮いていないしそこまで問題が有るとは思えない。
えーっとこっちはハンマーか、テキトウに修理したものだから若干の緩みがあるな、鳴子に穴を開ける時くらいしか出番はないがまた何かのタイミングで役立つだろうし、少し手を加えて釣り糸できっちり固定しておこう。
サバイバルキットは毎日のように何かしらを使っているがなんの問題もない、せいぜいがファイアスターターが削れているくらいでそれも微々たる物だ、いやもしかしたら1年持たないのかもしれないが現状は十分に足りているし、こいつだけは代えがないから大事に使う以外の対処が取れないのだ。
釣りセットは今のところ全くのお荷物だな、全くといって良いほど使っていない、釣り糸は細くても丈夫だからなんだかんだで使う機会は有るのだが、釣り針はもはやなんのためにあるのか不明だ。
仕掛けでも作って海に流した方が良いのかもしれないがそれだけの余裕がないし食料は足りている、残念ながら使う機会は来ないだろうな。
テントの中に引きこもったまま調味料やら医療キットやらをチェックしていくがとりあえず問題はない、少なくとも数ヶ月以内にどうにかなるような事にはならなそうだ、それだけでも随分と救われた感がある。
道具が揃っていないと何もできないからな、普段からチェックや整備は軽くやっているがやはり落ち着いてやる機会も必要となる、これからは雨の日やタイミングを見てやっていこう。
さていろいろとチェックするうちに時間も頃合いだ、まだ雨は降り続いているし焼き干しだけだが夕食といこう。
食事もそこそこに寝袋に体を入れる、さて明日はどんな天気になる事やら、もう6月だし良いイメージは沸いてこないがせめて今日と同じように朝だけあるいは夕方だけ晴れてくれれば良いのだが。




