穴堀り
竹林に向かい竹を選んでロープで縛り肩に担ぐ、竹が有って本当に良かった、これが木なら1人じゃ到底持ち運びできないし建築なんか夢のまた夢となる。
ただ木よりはかなり軽いとは言え数本も束ねてしまうとかなりの重さになる、これでも乾燥が進んで多少は軽くなっている筈なのだがやはり数を運ぶのには限界があるな。
本日は太い物を二本と細い物を一本に加えて端材も拠点に運び込み、一気に加工していく。
とりあえず作業台があるおかげでかなり作業が楽になったな、実感があると作ったかいもあると言うものだ。
明日にはまた一つ櫓を組めるだけの材料が揃うし更なる効率化が望める、未来は明るいようで何よりだ。
とまれ、停止していた作業を進めよう、ひたすら土を掘り返していき、時たま現れる木の根は斧で除いてまた掘り進む。
休憩中は細い竹の加工をし、身体を休める暇はないがとにかく作業は進む、疲れに関しては休息日を近い内に作れば良いし、休息と言っても警戒網に鳴子の設置くらいはするから作業速度は更に加速する、とにかく最低でも六月中に屋根だけでも作りたい。
拠点とは違い木の枝による天然の屋根もあるから簡易の物で構わないし盛土に関しても側溝を掘れば最低限の効果は見込める。
とは言えだ、やるべき作業があるおかげで暇はない、例えそれが穴堀りと運搬作業だとてやっている間は時間を無為に過ごす事は無い。
なんとか一つ分の穴を堀り、基礎代わりの石をセットしておく、柱の建築はまた明日だな。
また少しだけだが作業は進んだが、どうにも停滞している感もある、ままならないものだな。
磯での漁を済まし、疲れた身体を鼓舞しつつ拠点に戻る、まだまだ動けはするだろうが養生はすべきだな、無理はするが無茶はしない、ありがたい事に休みながらでもやれる作業は有る。
とは言え、限界が明日すぐという訳でもないし上手く作業内容を調整すれば限界が訪れる事も無い。
夕食を済まし、明日の準備をしてから眠りに着いた。
気持ちのいい目覚めに安心する、久々に朝からグロッキーモードも覚悟していただけあって多少の倦怠感くらいなら可愛い物だ。
今日も朝一で磯に向かい漁を楽しみ、続いて新たな穴を掘る作業に移る、最低でも後三ヶ所は掘らないといけないし、掘るだけで終わりではない。
だが堀り終われば後は柱を建てて固定、梁を追加して屋根材を並べるだけだからここが山場で越えてしまえばかなり楽になる。
それに柱と梁の材料は揃っている、運ぶ竹も細い物が主となり、作業内容はドンドン楽になっていく。
一通りの作業を終えて昼食を挟んで竹林に向かう、運ぶべき数は多いがチマチマ運ぶしかない、前の時は鉄板を屋根に乗せて簡略化したが今回はそうはいかないからな、ごまかしが効かない分キッチリやろう。




