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久々の竹林

 さて幸いにして焼き干しで量は確保できた、腹は膨れるが代わりに保存食は減る。

 まぁこういう時の為に準備してきたのだからなんの問題もない、とは言えどうにもケチりながらの食事になる、腹七分目くらいに抑え、代わりと言ってはなんだがお楽しみの時間となる。

ほんの二杯分相当しかないタンポポの根を半分鍋に入れて煮出していく、少しずつお湯かが黒く変わり、コーヒーの香りが立ち込める、ここまでは予想通りだ、後は味だな。

ある程度の根を箸で取り除きコップ代わりの竹筒に注ぎ込む、フィルターを通してないから口当たりは悪いというか、かなりの根のカスが混じっているだろう。


 手に感じるコップの熱さに慎重にならざるをえない、息を吹きかけズルズルと音を立ててコーヒーを啜る、やはりと言うべきか記憶にある煎り加減には届かないな、だが非常に近い後ほんの少し煎れば俺好みの味になるはずだ。

 とは言え、流石に残り少ない量を煎ろうものならあっという間に深煎りになってしまう、残念ながら次に期待だな。

明日からは力仕事のオンパレード、しっかり身体を休めるとしよう。



 池で顔を洗い軽いストレッチに荷物の確認、毎日のように繰り返される朝の一幕だが、実際はこの2ヶ月足らずで染み付いたルーティーンでしかない。

 ついでに言えばここから朝の漁まで含めて一連の流れだな。

本日もやや少なめの魚を手に拠点に戻り、警戒網の設置に向かう。

残る半分を覆いきるのは不可能だが少しでも距離を稼いでおきたい、どうせ竹はまだ揃ってないし、明日からもやる作業になるのだから急ぐ必要もないのたがやはり先々を見据えて気が急いてしまう。

夏休みの宿題とか1週間で片付けて後は自由研究と日記だけ残して遊びたい派だったのが関係していると思うのだが議論する相手がいない、帰ったら友人と一杯やりながら話してみるのも面白いかもな、一部は最終日の追い込み派だし割りと盛り上がりそうだ。


 まだまだ先は長く数日は掛かるだろう距離を残して切り上げて昼食の時間となる。

 本日も焼き魚と焼き干しとなり、残る焼き干しはケチって二食分、明日の夕方の漁次第では久々に空腹の夜を過ごす事になる、まぁ少し前までは当たり前だったのだしいずれは戻る事が解っているのだから、割りきって腰を落ち着けるのは可能だ。

焦ったところで改善するような事ではないしな。


さて昼食も食べ終えた事だしゆっくりと竹林まで歩くとしようか。


 見渡す限りの竹はまるで迷宮のように複雑なコントラストを見せ距離感がおかしくなりそうだ。

これだけ竹があるならパンダが出てきても驚かない、いや驚くな、あんな生物が何をどう間違ったらこんなところにいるんだと驚愕して腰を抜かすだろう。

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